3月18日の報道で、平野啓一郎が「ウクライナの非ナチ化」の問題について、プーチンによる戦争の口実で嘘であると発言したとあり、何かの間違いではないかと目を疑った。平野啓一郎の時事の発言はよくマスコミで取り上げられるが、過去に特に違和感を感じたものはない。良識があり、スタンスが堅実で、私はこの男が朝日の論壇時評を担当すればいいと思っていた。小熊英二などより適任だと評価していた。良識とは健全な考え方と判断力の意味である。 良識の持ち主であるはずの平野啓一郎が、なぜこのような暴論を無造作に吐いたのだろう。無知と軽薄と迂闊としか思えず、裏切られた気分で不可解だ。「ウクライナのネオナチ」の問題は、オリバー・ストーンによる分析と整理があるだけでなく、キャノングローバル戦略研の小手川大助による報告がある。2014年に日本人が書いた記事は、現在から見てまさに貴重な一次資料と言える。ウクライナがネオナチの巣窟