トヨタ自動車7203が四半期決算の発表を始めて以来、初の減収減益に──。 今月7日に発表された同社の2008年4~6月期の連結決算のニュースは、こう大きく報じられた。純利益が前年同期に比べて28%も減少したことから、国内最強の企業であるトヨタの経営が曲がり角を迎えたと論じる向きさえあった。 果たしてトヨタの経営には陰りが見え始めたのであろうか。私はそうは思わない。 むしろ同社は、経営環境の変化に的確に対応して着実に手を打っている。例えば今年3月には、全社的に相当な規模の経費節減を実施した。7月には、北米3工場における生産ラインの一時休止など、思い切った北米生産体制の再編策を発表している。 このようにトヨタは、対応できることから間髪を入れずに実行に移す。だからこそ、同四半期の純利益が前年同期に比べて42.8%減少した日産自動車7201などに比較すれば、小幅な減益にとどまったのだと見ている。