このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 ドイツの研究者が発表した論文「On the Lottery Problem: Tracing Stefan Mandel’s Combinatorial Condensation」は、1960年代に14回も宝くじに当選したルーマニアの数学者・ステファン・マンデルさんの手法を分析した研究報告である。マンデルさんが初期に用いた手法「Combinatorial Condensation」は長年謎に包まれていたが、この研究はその手法を解明しようと試みた。 マンデルさんは最初、ルーマニアの「6/49宝くじ」に挑戦した。この宝くじは1~49までの数字から6つを選ぶ