性犯罪などの被害者を保護するため、起訴状を含む刑事手続き書類に記載する被害者名を加害者に秘匿する新制度が15日に始まる。逮捕から判決まで被害者を特定する情報が伝わらなくなり、加害者から改めて狙われる再被害の防止に役立つとみられる。ただ、刑事弁護人らからは被告側の反証が困難になりかねないといった懸念も示されている。 【図表】一目でわかる…刑法犯認知件数と検挙率、こう推移している 現在は原則として、逮捕状や起訴状などに被害者の氏名や年齢などが記載され、容疑者や被告には原本が示されたり、それらの写し(謄本)が送られたりしている。刑事訴訟法は起訴状に犯罪の日時や場所、方法をできる限り明示するよう規定し、被害者も具体的に特定すべきだと解釈されてきたからだ。 被告側が刑事手続きで自らを守るための防御権を保障する目的があるが、被害者側は面識のない加害者にも氏名が伝わって報復を受ける恐れなどがあると指摘。