奈良市での街頭演説中に凶弾に倒れた自民党の安倍晋三元首相(67)が亡くなった状況が、徐々に明らかになってきた。「一度に6個の銃弾が発射できる」とされる手製銃が発砲され、少なくとも銃弾2発が体内に入り、うち1発は心臓に達していた。銃撃現場や搬送先の病院では懸命の救命措置が行われたが、大量の出血を前に、消えゆく命を引き留めることはできなかった。 【写真】涙を浮かべ、安倍元首相の葬儀が営まれた増上寺を出る妻の昭恵さん 「止血、大量の輸血を行ったが、残念ながらこのような結果になった」。安倍氏の死亡が確認された8日午後6時過ぎ、会見した搬送先の奈良県立医科大付属病院(同県橿原市)の福島英賢教授はこう切り出した。銃弾の1発が心臓の心室と大血管に到達していたことも明らかにした。 県警によると、被弾した傷は首と左上腕の少なくとも2カ所で、司法解剖の結果、死因は左上腕から入った銃弾で左右の鎖骨下にある動脈を