筑紫哲也(71)が肺癌になった。少し前は小田実(74)が胃癌と伝わってきた。日本国民の3人に1人くらいは癌で死ぬのだから、ちっとも珍しい話ではない。最近の統計では、交通事故死が年に6千人あまり、自殺者は3万人台だが、癌の死者は30万人を超える。少なくとも、息子に頭を斬られる心配、晩飯食べに行って乱暴される心配をするくらいなら、自分が癌になる心配をしたほうがはるかにいい。 評判だった『ヤバい経済学』(asin:4492313656)に、アメリカの子どもにとっては銃よりプールのほうが危険という指摘があったが、似たような話だ。 そんなわけで、筑紫さん小田さんの年齢であれば癌にならないほうが珍しいとすら思われる。ただし、70〜80歳を超えてしまえば、こんどは死なないこと自体がきわめて珍しい。というか、なんでみんないつか必ず死ぬことをこれほどまでに心配しないのか。……という疑問については何度かここに