後藤道夫都留文科大学名誉教授にロングインタビューし、「公務員バッシングの発信源となる開発主義国家の新自由主義改革――対抗軸としての新しい福祉国家構想」という記事をまとめているのですが、それはまた長文ですので後日紹介するとして、ロングインタビューの準備段階で聴いた後藤先生の講演の一部要旨を比較的コンパクトにまとめてみた「日本で激しい公務員バッシングが生まれる理由」を紹介します。 「業界横並び体質」、官僚の「仕切り」による開発主義国家 膨大な国家財政を大規模な公共事業に投入して、業界と大企業を育成・援助し、同時に、企業間の競争を仕切って、指導しながら横並びで安全に成長させていく、そして保守政治家と一部のキャリア官僚がその関係を養分にして強い力を持つ。これが、「政・官・財癒着」、「業界横並び体質」、官僚の「仕切り」などと呼ばれている日本の社会システムです。こうした体質と構造を持つ日本を、私は「開