JR西日本が宝塚線(福知山線)脱線事故の類似例資料を国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)と兵庫県警に提出しなかった問題で、同じ資料を神戸地検に対しても提出していなかったことがJR西への取材でわかった。JR西は「意図的に隠したわけではない」と説明しているが、同じ資料を連続して欠落させており、隠蔽(いんぺい)を図ろうとした疑いがさらに強まった。 この資料は、宝塚線事故の類似事故とされる96年12月のJR函館線事故に関する資料。97年1月に開かれた同社の安全対策委員会の会議資料の一部で、制限時速を大幅に超えてカーブを走行、脱線した函館線事故の概要などがまとめられている。会議には当時鉄道本部長だった山崎正夫前社長(66)が出席しており、捜査当局はこの資料について、山崎氏が宝塚線事故の現場カーブに対する危険性を事前に予測していた重要な証拠とみている。 JR西によると、06年3