覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)の罪に問われた英国籍の被告の上告審で、「被告が気付かぬうちに組織が覚醒剤を運ばせた可能性がある」とした一審・裁判員裁判の無罪判決を「机上の論理」と破棄し、懲役10年、罰金500万円の有罪とした東京高裁判決が確定することになった。最高裁第一小法廷(横田尤孝〈ともゆき〉裁判長)が21日付の決定で、被告の上告を棄却した。 裁判員裁判の無罪判決が二審で逆転有罪となり、最高裁で確定するのは2例目。覚醒剤事件の裁判員裁判では、被告が「知らずに運ばされた」などと主張し、無罪となるケースが13件(今年8月末現在)と多く、決定は今後の裁判に影響を与える可能性がある。 第一小法廷は、背後に組織が関与した密輸事件では「被告が組織から、回収方法を指示されたと認定するのが相当」とした高裁の判断を踏襲。無罪とした2011年6月の千葉地裁判決は誤りだと結論づけた。 有罪が確定するのは、自