6月20 IFRS導入延期？？ カテゴリ:ＩＦＲＳ 金融庁がようやく IFRS の導入を議論する企業会計審議会を月末に開催することを決めたようです。 金融庁の幹部は IFRS の強制適用スケジュールを先送りする方向で、IFRS推進派の説得を始めたとか。 今朝の日経などで「国際会計基準の導入延期を検討」といった記事が出ていますが、「国際会計基準の導入時期をようやく検討」くらいの意味合いだと思います。 現状では、政治の世界でIFRS反対派がIFRS推進派の説得をしており、月末の企業会計審議会でそのあたりが議論される予定である、という状況かと思われます。適用開始時期等をこれから議論するということであり、結論が出るのはだいぶ先だと思われます（日経には「年内にも一定の結論を出す方向で調整する」と書かれています）。 こういった議論に、日本公認会計士協会や取引所や、既にIFRSに向けて準備をしている上場

6月17 PCAOB 監査人の定期的交代を検討 カテゴリ:会計監査 「週刊経営財務」（2011/6/13号）によると、PCAOB（公開企業会計監視委員会）は、監査人の定期的交代を検討しているようです。 監査人の独立性を確保するとともに、監査の質をあげるため。 ただし、頻繁に監査人の交代を行うことで、一定期間以上の経験を経ることで醸成される監査人の”暗黙知”を損なうおそれがあるとのネガティブな意見も実業界には少なくないようです。 数ヶ月以内にPCAOB委員長が文書を公表するとのこと。 「会計監査」カテゴリの最新記事

6月14 横浜ゴム(5101) 決算期変更で引当金35億円増加 カテゴリ:財務会計ＩＦＲＳ 横浜ゴムは、昨年12月に決算期を3月期から12月期に変更することを発表し、決算期変更の経過期間となる2011年度は2011年4月1日から2011年12月31日までの9カ月変則決算となっていますが、この2011年12月期において返品調整引当金を新たに計上する必要が出てきたようです。 以下、日本経済新聞(2011/6/14)より一部抜粋。 横浜ゴムの2011年12月期は、3月期から12月期に決算期を変更することに伴う費用増加が35億円になりそうだ。今期の収益環境は、天然ゴムなどの原料高や外国為替市場での円高などで逆風下にある。さらに決算期変更による費用増が業績の重荷となる。 浜ゴムは国際会計基準（ＩＦＲＳ）の適用に備え、今期から決算期を３月から12月に変える。これにより今期は冬用タイヤの返品引当金を新た

6月14 包括利益会計基準 「組換調整額」注記の早期適用開示事例 カテゴリ:財務会計 「包括利益の表示に関する会計基準」が2011年3月31日以後終了する連結会計年度の年度末に係る連結財務諸表から適用されましたが、注記については1年延長して、2012年3月31日以後終了する連結会計年度の年度末に係る連結財務諸表から適用されます。 「週刊経営財務」2011/5/23号によると、以下の３社が組換調整額（リサイクリング）の注記を早期適用して開示していたようです。ご参考までに。 １.空港施設（東証１部） ２.原信ナルスホールディングス（東証１部） ３.NECモバイリング（東証１部） ▼空港施設の開示事例 「財務会計」カテゴリの最新記事

5月11 ＨＯＹＡ(7741)　IFRSベースの決算短信発表 2011年3月期よりIFRSを任意適用するＨＯＹＡ(7741)は10日、IFRSベースの決算短信を発表しました。 ［HOYA］平成23年3月期 第4四半期連結決算短信（IFRS） 決算短信ですので指定国際会計基準で求められる開示項目の一部を省略していますが、開示事例の参考になります。 特にP22以降で（参考情報）として掲載されている日本基準と指定国際会計基準との差異の一覧は、かなり良い開示だと思います。その差異の内容を「表示科目の差異」「認識・測定の差異」「非継続事業」と区分して表示されており、さらに、それぞれの差異の主な内容が別表（注記）として説明されていますので、日本基準と指定国際会計基準との差異の具体的な内容や金額がよーく分かります。 IFRSを任意適用した先行企業がどのような差異調整をしているのかという参考にもなります。

6月8 堂島監査法人に対する検査結果に基づく勧告／公認会計士 ・ 監査審査会 カテゴリ:会計監査 公認会計士 ・ 監査審査会は７日、堂島監査法人に対し、行政処分勧告を行いました。 ［公認会計士 ・ 監査審査会］堂島監査法人に対する検査結果に基づく勧告について 検査結果がすごいんですけど。 「統括代表社員が、品質管理担当責任者に対し品質管理のシステムの整備等に関する指示を行っておらず」 「品質管理担当責任者は、品質管理のシステムの整備等の重要性に対する認識が欠如」 「統括代表社員等は、社員会議事録、監査計画書、審査資料等を事後作成する等の不適切な対応を行った」 「法令等遵守態勢は著しく不十分」 「監査の基準に関する理解が不十分」 「リスク・アプローチに基づく監査計画を策定しておらず」 「監査の基準に準拠した監査手続が行われていない監査業務が広範にみられる」 「監査計画の審査及び監査意見の審査

6月7 やよい監査法人　「重要な虚偽の表示を看過している相当程度の懸念あり」と言われる。 カテゴリ:会計監査 すごい適時開示のご紹介。 取引所の規則によると、上場内国会社は、日本公認会計士協会の「上場会社監査事務所名簿」または「準登録事務所名簿」に登録されている監査事務所の監査を受ける事が義務づけられております。 日本公認会計士協会は、「やよい監査法人」の「上場会社監査事務所名簿」「準登録事務所名簿」への登録申請を認めないという決定をしたようです。 理由は、品質管理のシステムに重要な瑕疵があるため、監査対象とした財務諸表における重要な虚偽の表示を看過している相当程度の懸念が認められ、実施した監査業務において職業的専門家としての基準及び法令等に対する重要な準拠性違反が発生している相当程度の懸念があると判断された、とのこと。つまり、「監査になっとらんがな！」ということかと。 やよい監査法人は、

5月25 ＳＭＢＣ日興証券社員　25億円詐欺！？ カテゴリ:企業不祥事 4月1日に「日興コーディアル証券」から社名変更したばかりの「ＳＭＢＣ日興証券」で、すごい不祥事のニュース。 以下、msn産経ニュース(2011/5/24)より一部抜粋。 顧客に架空の投資話を持ち掛けて４５００万円をだまし取ったとして、警視庁捜査２課は２４日、詐欺の疑いで、ＳＭＢＣ日興証券（東京都千代田区）元社員、××容疑者（４４）＝墨田区吾妻橋＝を逮捕した。同課によると、容疑を認めているという。 同課では、××容疑者が平成１３年ごろから同様の行為を続けており、詐欺罪の公訴時効にかからない過去７年間だけでも顧客十数人から計２５億円以上だまし取ったとみて、調べる。 逮捕容疑は、東京都港区の虎ノ門支店の営業担当だった昨年１１〜１２月、大田区在住のＩＴ関連会社社長の男性（４８）に「投資金は全額返金しますし、（投資額の）１２％の

5月20 東電（9501） 1.2兆円赤字 継続企業の前提に重要な疑義 東京電力（9501）は20日、平成23年3月期の決算を発表致しました。 ［東京電力］平成23年3月期 決算短信 損害特別損失や災害損失引当金の内訳は注記に掲載されています。 カテゴリなしの他の記事

5月19 欠損法人割合が過去最高の72.8% ／国税庁 カテゴリ:税務会計 国税庁は4月28日、「平成21年度分　会社標本調査」というものを公表しています。 ［国税庁］平成21年度分　会社標本調査(PDF) 法人の実態を調査したもので、この調査結果の中に「欠損法人割合」の推移が載っています。 下のグラフは、その推移をグラフ化したもの。 ▼欠損法人割合 （平成11年〜17年：２〜１月ベース、　平成18年以降：４〜３月ベース） 平成21年は、全体の法人数約261万社のうち、約190万社が欠損法人であり、その割合は72.8％と過去最高を記録したようです。 およそ4社に3社は欠損法人ということになります。 欠損法人とは、所得金額がゼロの法人であり、繰越欠損金を控除した結果として欠損法人になった会社も含まれます。納税を逃れるために故意に（もしくは合法的に節税して）所得をマイナスにしている法人があるで

5月19 経理担当者役員　１０億円着服 カテゴリ:企業不祥事 なぜ１７年間も気付かない？？ 以下、読売新聞(2011/5/18)より抜粋。 会社名義の小切手を勝手に振り出して約７８００万円を着服したとして、警視庁は１８日、東京都港区の港湾運送会社「ナカムラロジスティクス」の元経理担当役員・××××容疑者（６６）を業務上横領容疑で逮捕した。 同庁幹部によると、××容疑者は２００９年までの約１７年間に約９億７０００万円を着服していたとみられ、同庁で余罪を調べる。 発表によると、××容疑者は同社役員だった０８年９月〜０９年７月、同社名義の小切手を銀行に持ち込み、２０回にわたって計約７８００万円を着服した疑い。「飲食費や住宅ローン、ハワイ旅行などに使った」と容疑を認めているという。 同庁幹部によると、××容疑者が長年、小切手の振り出しや社印の管理を担当していたため、同社は不正に気付かなかったという

4月30 航空便が廃止になり、監査人を辞退 カテゴリ:証券市場 なんとも変わった適時開示がありましたのでご紹介。 ［日本ティーエムアイ］公認会計士等の異動に関するお知らせ 堂島監査法人が退任。その退任理由は・・・ 「大阪空港と松本空港間の航空便が廃止となることから、退任する監査法人にとっては当社への交通が不便となったため」。 後任会計士の事務所と堂島監査法人の所在地は、目と鼻の先なんですけどね。 「証券市場」カテゴリの最新記事

4月26 災害損失特別勘定への繰入額の損金算入を認める／国税庁 カテゴリ:税務会計 国税庁は２０日、「東日本大震災関係諸費用（災害損失特別勘定など） に関する法人税の取扱いに係る質疑応答事例」を公表しました。 ［きたはまレポート］法人税の取扱いに係る質疑応答事例 災害損失特別勘定への繰入額（修繕費用等の見積額）の損金算入を認めるようです。 「税務会計」カテゴリの最新記事

4月21 【資産除去債務】除去時期の見積りの変更を行った場合の会計処理 資産除去債務会計基準において、割引前将来キャッシュ・フローの見積りの変更があった場合の会計処理については記載があるものの、除去時期の見積りの変更を行った場合の会計処理については記載がないことから、どうすべきかという問題があるようです。 これについて、結論からいえば、プロスペクティブ・アプローチ（見積りの変更は将来に向かって修正するという考え方）が採用されていることから、割引率を早期除去決定時点から変更後の除去時点までの期間に応じた割引率に変更して、その割引率で翌期以降の資産除去債務の調整額を算定する方法が適当と考えられます。 なお、資産除去債務の見積りの変更から生じる調整を、会計上どのように処理するかについては、以下の 3 つの方法が考えられます。（１） 資産除去債務に係る負債及び関連する有形固定資産の帳簿価額に加減し

4月18 『財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する基準等の改正案』を図解しました！ カテゴリ:内部統制 金融庁は2011年3月30日、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度（いわゆるJ-SOX）の簡素化・明確化等を検討し、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂に関する意見書」を公表しました。 この改正案を図解しました。主な改正点とその考え方がひと目で分かるようにしました。 無料でダウンロードできますので実務でご活用下さい。 ダウンロードはこちら CFO Library　「フレームワーク」 「内部統制」カテゴリの最新記事

4月17 「企業財務会計士」実現せず　自民・公明反対で カテゴリ:財務会計 16日のYOMIURI ONLINEより 公認会計士の就職難を解消するため、金融庁が2013年に創設を目指していた「企業財務会計士」制度が実現しない見通しとなったことが15日、わかった。 自民党や公明党が「企業側の採用ニーズがない」などと反対しているためだ。今国会で審議中の関連法案に盛り込まれた同制度の条項を削除する方向で、与野党が近く修正協議に入る見込みだ。金融庁は、公認会計士に準ずる「会計のプロ」として新たな国家資格を設け、合格者の企業への就職を促す考えだった。 社会のニーズも世間の意見も全く無視した結論有りきの見切り発車でしたからね。 【参考】「公認会計士制度に関する懇談会」第1回〜第10回の議論について 2011/1/21 「企業財務会計士」の創設／公認会計士試験･資格制度の見直し案 2010/8/5 「公

4月15 包括利益がマイナスの場合の表示方法の開示事例 カテゴリ:財務会計 損益計算書（包括利益計算書）上において「包括利益がマイナスの場合の表示方法はどうなるのか？」という質問がありましたので、以下に日本電波工業の開示事例をご紹介しておきます。 なお、ＥＵ上場企業の包括利益表示の開示事例は、拙著『包括利益・過年度遡及の決算対応』の第２章で紹介しておりますので、ご参照下さい。包括利益の表示に限らず、損益計算書（包括利益計算書）の表示自体が若干違うんですよね。各社で。 ▼日本電波工業有価証券報告書（2010年3月期）より一部抜粋 「財務会計」カテゴリの最新記事

4月12 【東日本大震災】 重要な後発事象の開示事例 カテゴリ:財務会計 東日本大震災における、２月決算期企業の「重要な後発事象」の開示事例をご紹介しておきます。 ■損害額の見込額を開示しているケースの開示事例 セブン＆アイ・ホールディングス（3382）2011/4/7 （重要な後発事象） 平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、被災地域の店舗等において多大な被害を受け、災害損失（特別損失に計上）として建物・設備等の滅失・原状回復費用等、商品の滅失、その他復旧等に係る費用等の発生を26,000百万円程度見込んでおります。 ■損害額が現時点で未確定というケースの開示事例 Ｆ＆Ａアクアホールディングス （8008） 2011/4/11 （重要な後発事象） 平成23年３月11日に発生いたしました東日本大震災により、東北および関東の一部の店舗が被害を受けました。 ４月７日現在で４店舗が営

4月3 孫正義社長 １００億円寄付 引退までの役員報酬も全額寄付 カテゴリ:その他 さすがとしか言いようない。 ソフトバンクの孫正義社長は３日、東日本大震災の義援金として個人で１００億円を寄付することを明らかにした。また２０１１年度以降も毎年度、社長を引退するまで役員報酬（０９年度は約１億８００万円）を全額寄付する。これとは別にソフトバンクグループとして１０億円を寄付する。 孫社長がこの日、動画配信サイト「ユーストリーム」の番組に出演して表明した。孫社長は「震災遺児の生活支援などに役立ててもらいたい」と話した。日本赤十字社などを通じて寄付するほか、ＮＰＯやボランティア団体などへ早急に寄付できる仕組みを検討しているという。 ［出所］asahi.com(2011/4/3)より抜粋 ［ソフトバンクグループ］東日本大震災に対する義援金・支援金の寄付について 「その他」カテゴリの最新記事

4月5 はじめての包括利益　−アドヴァン・あみやき亭が3月期決算発表 カテゴリ:財務会計 決算早期開示の常連、アドヴァン(7463)と あみやき亭(2753)が、4日（月）の朝7時30分に3月期の決算発表を行いました。 ［アドヴァン］平成23年3月期 決算短信〔日本基準〕（連結） ［あみやき亭］平成23年3月期 決算短信〔日本基準〕（連結） 2011年3月31日以後終了する連結会計年度の年度末に係る連結財務諸表から企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」が適用されますので、アドヴァンとあみやき亭が日本基準の連結財務諸表で「包括利益」を開示した最初の事例ということになります。 「包括利益計算書」は、「1計算書方式」と「2計算書方式」のいずれかの形式を選択適用することができますが、アドヴァンとあみやき亭は共に「2計算書方式」を採用していました。 （我が国におけるIFRS適用第1号