近年、テレワークや働き方の多様化に伴い、人々の労働観が大きく変化している。世代による労働観の違いもあり、昇進や権威を追求する一方で、自分らしく無理のない働き方を重視する人々も増えている。「自分にとって『良い仕事』」として挙げられた「自分らしく」「無理なく」とはどのようなものか。どのように実現すればよいのだろうか。 違いすぎる労働観がコンフリクトを生んでいる 近年、人と仕事との関係に変化の兆しが見える。パンデミックを機にはじまった、テレワーク環境の充実や労働時間管理の変化は、個人に対して改めて「自分にとって良い仕事とは何か」を考えさせるきっかけとなった。仕事で自己実現を目指す人ばかりでなく、できるだけ働きたくない、ライフスタイルにあった働き方を重視したいなど、「働くこと」に対する考え方はますます多様化している。 「自分にとって仕事とは何か?」。この問いについて、古くは尾高(1953) が「生