紙パッケージの「開け口」が好きだ。 あの麦の穂のようなかたちをしたミシン目部分、それを つまんで端からチキチキと切り離す感覚がたまらない。 誰もが経験したことのある作業だと思う。そして、あの ミシン目部分を切り離す瞬間、テンションが急上昇して しまうのは私だけではないはずだ。 しかしよく考えてみたら、私は「あのミシン目部分」の 名前すら知らない。 こんなに好きなのに知らな過ぎではないか。あの人のこ とをもっと知りたい…。恋する乙女のような気持ちで、 開け口の「あの部分」ができるまでを追ってみた。 (text by 三宅 京子) 「あの部分」というのはこの部分のことだ 「麦の穂のようなかたちをしたミシン目部分」などと、 ちょっとポエム的な言い回しになってしまったが、文章 で説明するより写真で見ていただいた方が早いだろう。