モラルの起源―道徳、良心、利他行動はどのように進化したのか 作者: クリストファーボーム,Christopher Boehm,斉藤隆央出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2014/11/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (18件) を見る 本書は文化人類学者であるクリストファー・ボームによるヒトの道徳の進化についての自身の長年の考察をまとめたものだ.基本的にチンパンジーの観察データ及び狩猟採集民の観察データから出発して,利他的な行動特性,特に(その至近的な心理メカニズムとして)キーになっていると考える道徳的な良心の進化を,その進化理論と進化経路を合わせて考察して仮説にまとめ上げることを主眼としている.一般向けではあるがなかなか重厚な書物になっている.原題は「Moral Origins」 本書はまずダーウィンのヒトのモラルの進化についての取り組みを紹介し,そこから血縁者以外への利他