【台北=矢板明夫】中国の李強首相は5日開幕した全人代での政府活動報告で「『台湾独立』分離活動と外部からの干渉に断固として反対し、祖国統一の大業を推進する」などと述べ、ほぼ従来の主張を繰り返した。台湾の対中関係者はその文面を細かく分析し、中国の対台湾政策の変化を読み取ろうとしている。 中台関係をめぐっては先月14日、中国福建省近くで台湾が実効支配する金門島の海域で、台湾当局が追跡中だった中国の漁船が転覆し、2人が死亡した。その後、中国は報復措置として周辺海域におけるパトロールを常態化させ、中台間の緊張が高まっている。 台湾当局関係者は、李氏の政府活動報告で「金門に対する台湾の支配を否定する踏み込んだ発言」を警戒していたが、報告書は金門問題について触れなかった。与党、民主進歩党の幹部は「ほっとした」と安堵した。 一方で、李氏はこの日、中台の将来について、前任者の李克強氏が昨年の政府活動報告で使