「消費税増税は法人税減税の穴埋めだ」という主張があります。 図1を見ますと、確かに、趨勢的には、消費税収は増え、法人税は減っていますから、一見するとその主張が正しいようにも見えてきます。 図1 消費税収と法人税収の推移 しかし、法人税が減った原因は、国内企業の活力と国際競争力を維持する観点から「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という方針の下で法人税改革が進められたことと、国内景気低迷の結果と言えます。 なお、最近では、日本経済が絶好調のバブルの頃と比較すればさすがに見劣りはしますが、リーマンショック前の水準まで戻してきていることも指摘しておきたいと思います。 一方、消費税が増えた原因は、1999年度以降、年金、高齢者医療、介護といった「高齢者三経費」に充てることとされ(福祉目的化)、2014年度からは、子育てなど「社会保障四経費」に消費税増収分の全てを充てる(社会保障目的税化)こと