ワークライフバランス。近年、急速に存在感を増した言葉だが、実現している人や会社はどれほどか。著者は日産自動車などの大手企業に勤めたのち、経験を活かして業務改善・オフィスコミュニケーション改善士に転身。残業だらけの社会に一石を投じてきた。本書もその活動の一環で、特色はタイトルにもある「問題地図」だ。本の冒頭に挟まれた地図を見れば、問題の因果関係が一目瞭然。たとえば〈だれが何をやっているのかわからない〉という問題には〈会話がない〉〈「自分のやり方が正しい」という思い込み〉といった項目に矢印が繋がっている。 「『地図』は著者のコンサルティング活動で実際に使われて来たもの。つまり、現場で叩き上げられて育ってきたアイデアなんです」(担当編集者の傳智之さん) 濃い情報量と読みやすさの両立で、堅実に売れ行きを伸ばしてきた。 「20代、30代を主な読者と想定していたのですが、タイトルのせいか、刊行直後は書