新居での生活も10日たち、部屋が片付いたとはとうてい言えないが、いろいろなことにようやくなじんできた。 そのなかの一番大きなものの一つが大家さんの存在だろうか。 寓居は大家さんの敷地の一角にあり、ふだんからいやでも大家さんの存在を意識せざるをえないのだが、大家さんがどういうひとなのかは、正直なところまだよくわからない。のんびりした雰囲気からして勤め人や企業家とはとうてい思えないし、おそらく特定の職業をもったことのない昔からの資産家なのだろう。 それでも、このところ毎朝早く起きてゴミを出しにいくと、予定していたかのように大家さんと鉢合わせになる。どうも大家さんは、毎朝早く起きて、近所の路地を掃除するのが趣味のようだ。 そうした折に、「こんにちは」だけではゲイがないので、互いのことを多少話したりするのだが、その最初のきっかけになったのが、私も大家さんも園芸が好きだということ。私の場合は、旧居か