戸籍上は女性だが、男性として社会生活を送っている30歳代の性同一性障害者(千葉県)が、交通事故で重い後遺症が残ったとして、事故の相手に約6400万円の損害賠償を求めて提訴し、岡山地裁倉敷支部(安西二郎裁判官)が、男性の平均賃金を基準に逸失利益を算定し、被告に約2500万円の支払いを命じていたことがわかった。 判決によると、2003年8月、アルバイト店員として働いていた原告は、岡山県倉敷市内の国道を自転車で横断中、乗用車にはねられて頭を強く打ち、高次脳機能障害の診断を受けた。裁判で、原告側は「男性として生活していた」として、男性の賃金基準での賠償を求め、被告側は「女性労働者の賃金を基準にすべきだ」などと主張していた。 安西裁判官は判決で、原告が、読み方が男性に多い名前に改名し、男性ホルモンの投与を続けていたことなどを理由に性同一性障害者と認め、逸失利益を男性労働者の基準で算定した。 性