国立国会図書館が、電子書籍・電子雑誌などのオンライン資料の全面収集を開始する。国立国会図書館では2013年から、オンライン資料のうち無償かつDRM(技術的制限手段)が付されていないものを収集してきたが、3月の納本制度審議会答申に基づき、有償またはDRMが付された電子出版物の収集開始に向けて準備を進めている。 来年度に関係法規の整備、周知と収集除外手続きなどの期間を設け、2023年1月から全面的な収集を開始する予定。
『亞書』に係る経緯について 平成27年3月以降、発売元である株式会社りすの書房から『亞書』第1巻から第78巻まで、計78冊(1冊の定価6万円+税)が国立国会図書館に郵送されました。オンライン書店においても、一時、販売されていたこと、体裁も簡易なものではなかった等のことから、広く一般に頒布されている出版物と解し、受け入れ、納入出版物代償金を支払いました(42冊分の約136万円)。 平成27年10月以降、『亞書』について、ギリシャ文字等をランダムに配した解読不能な本であるとして、出版の目的等についてインターネット上で話題になったこと等を受けて、発売元に事情を聞き、頒布実態等を調査してきました。 『亞書』についての対応方針について 国立国会図書館は、発売元から聴取を行い検討した結果、郵送された『亞書』各巻1冊は、頒布部数が少なく、また、国立国会図書館法に列挙された出版物に該当せず、国立国会図書館
ギリシャ文字などを無作為に打ち込んだ1冊6万4800円(税込み)のシリーズ本が、国立国会図書館に78巻納本された。納本された本の定価の一部などを発行者に支払う仕組みがあるため、すでに42冊分の136万円余が発行者側に支払われている。納本は法律で義務づけられているが、ネットでは疑問の声が上がり、同館も支払いが適正だったのか調査を始めた。 問題の本は、りすの書房(東京都墨田区)が発売した「亞書(あしょ)」。同社によると2月にネット書店「アマゾン」で販売を開始。112巻まで作成し、最終的には132巻まで出す予定という。A5サイズで480ページのハードカバー。各ページとも縦12センチ、横9センチの枠内にギリシャ文字やローマ字が並び、ページ数は振られておらず、全く同じ内容のページもある。国会図書館へは3月ごろから10月にかけて78巻までが1部ずつ納本された。 同館は納本された本の定価の5割と送料を「
平成25年7月1日に改正国立国会図書館法が施行され、オンライン資料収集制度(愛称:eデポ)が始まります。これにより、民間で出版された、無償かつDRM(技術的制限手段)のないオンライン資料(電子書籍、電子雑誌等)を国立国会図書館に納入することが義務付けられます。例えば、インターネット上でPDF形式等で公開されている、年鑑、要覧、機関誌、調査報告書、事業報告書、学術論文、紀要、技報、ニュースレター、小説、実用書、児童書などが納入の対象になります。収集した資料は、納本制度で収集した紙の資料と同様、文化財として蓄積し、後世に伝えていきます。 7月1日に、国立国会図書館ホームページに納入受付ページを開設し、電子データの納入の受付を開始します。 eデポに関する詳細は以下のページをご覧ください。 オンライン資料収集制度(eデポ) プレスリリース(PDF file:416KB)
英国では、1662年から続いている納本制度により、これまで印刷された出版物の献本が義務付けられていたが、4月6日以降電子書籍などデジタルコンテンツも献本するよう改訂された法定納本制度が施行される。 2000年1月からデジタルコンテンツの自主的な献本が推奨されていたが、2002年10月の報告によれば、単行の電子出版物では75%、逐次刊行のものでは45~50%の収集にとどまったため、デジタルコンテンツも納本制度に組み入れることに踏み切った。これにはUKドメインの480万のWebサイト・ブログや電子ジャーナル、CD-ROMも対象になる。 納本制度は、国内の出版物を網羅的に収集し、利用できるようにするとともに、後世の人々のために保存するという目的がある。 電子書籍などデジタルコンテンツは容易にコピーが可能なため、出版者から販売が減少するなどの悪影響を懸念する声も上がってきている。このため同制度では
記者発表用資料 平成 24 年 6 月 15 日 国立国会図書館 オンライン資料の収集等に関する 国立国会図書館法の一部改正について 平成24年6月8日(金)の衆議院本会議,同15日(金)の参議院本会議において, 国立 国会図書館法の一部を改正する法律(衆議院議院運営委員長提出,衆法第17号)が可決さ れ,成立しました。 (改正法の概要) 1 オンライン資料の収集 (1)オンライン資料(インターネット等により出版される電磁的記録で,図書又は逐次刊行 物に相当するもの)が文化財として重要な地位を占めるようになってきたことから, 国立国会図書館では, 平成 22 年 6 月の納本制度審議会 (国立国会図書館長の諮問機関, 会長 中山信弘・東京大学名誉教授)の答申を踏まえ,その収集について検討してきま した。 (2)改正法は,納本制度に準じて,私人が出版するオンライン資料について,国立
納本制度審議会会長代理の濱野保樹・東京大学大学院教授(左)と、委員の合庭惇 国際日本文化研究センター名誉教授 国立国会図書館館長の諮問機関・納本制度審議会(中山信弘会長)は6月7日、増加する電子書籍の収集について、長尾真館長に答申した。紙の書籍の納本制度のような仕組みを、電子書籍にも取り入れるべきだとし、国会図書館は今後、制度設計や関連法制の整備を進め、2011年度中の制度スタートを目指す。 紙の書籍や雑誌、CD、DVDなどは、発行者が国会図書館に納本する義務があるが、電子書籍は対象外。電子書籍の発行数が増えるにつれ、アーカイブしておくべき資料が散逸してしまうという懸念が高まり、昨年10月、長尾館長が同審議会に対し、電子書籍の収集制度について調査・審議するよう諮問していた。 答申では、収集の対象となる資料を、「図書、逐次刊行物(雑誌・新聞など)相当のもの」に限定。電子書籍や電子雑誌、電子コ
「iPad」などの新端末や携帯電話、パソコンなどでの利用が広がる電子書籍の収集に、国立国会図書館が乗り出す。館長の諮問機関「納本制度審議会」が7日、電子書籍の納入を、出版社や配信事業者に義務づける答申をまとめた。実現すれば、利用者は館内のパソコンで読んだり、印刷したりできるようになる。 対象は、電子書籍や電子コミック、ケータイ小説などを想定。答申は、著作権者の利益を保護するため、館内からしか閲覧できないようにするほか、1冊の書籍に同時にアクセスできる人数も制限するとしている。 紙の本については国立国会図書館法で同館への納入が義務づけられており、電子書籍についても同種の規定を設けることになる。ただし紙の本と違って、罰則は設けない方向だ。また、紙の本の場合は価格の一部を館が支払う制度があり、電子書籍も、納入する際のデータ変換の費用などを負担することを検討する。 同館は、所蔵する書籍をデジ
国会図書館「電子納本義務化を」 中川文科副大臣(1/2ページ)2010年2月13日11時40分 国内の出版社は、出版した書籍を国立国会図書館に納める義務がある。その納本制度をめぐり、文部科学省の中川正春副大臣が、朝日新聞の単独インタビューに応じ、製本過程などで作られる書籍の電子データも納入する「電子納本」を義務づける必要があるとの考えを明らかにした。世界規模で進む本のデジタル化の流れに後れをとらないようにするのが狙いだ。 電子納本は、書籍のデジタル化と電子流通を一気に広げる契機になる可能性がある。 本のデジタル化やネット経由での流通を進めるには、著作権の処理が不可欠だ。これまでも国会図書館の長尾真館長が「デジタル図書館」の構想を掲げ、権利者側の日本文芸家協会や日本書籍出版協会と協議してきた。それに対し著作権法を所管する文化庁は「当事者が契約で解決するべき問題」と静観してきた。 だが、文化庁
政府刊行物の都道府県立図書館への無償、 かつ確実な提供を求めることについて (要 請) 拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 図書館振興のご尽力に敬意を表するとともに、平素よりの当協会事業へのご支援、ご協力に感謝申し上げます。 さて、図書館法は政府刊行物の都道府県立図書館への無償提供を規定していますが、その確実な実現を図るため、以下の要望をいたします。 図書館法は、図書館が国民の求める資料、情報を確実に提供することを求めております。とりわけ国民の知る権利を保障するために、同法第9条は「政府は、都道府県の設置する図書館に対し、官報その他一般公衆に対する広報の用に供せられる独立行政法人国立印刷局の刊行物を二部提供するものとする。」と規定しております。情報公開法は、公刊されている政府刊行物は図書館を通じて提供されることを想定していますが(1996年11月1日総務庁「情報
長岡義幸さんの新刊。といっても、『出版ニュース』記事のまとめ。2003年から2008年の動向を扱っていて、とてもよい。 2点、問題点を上げると、「イスラエルとパレスチナの戦争は、宗教も背景にある。歴史をさかのぼればキリスト教の十字軍による大量虐殺があった」と言ってしまっていること(近代の植民地主義の問題を忘却するために歴史的・構造的起源を求めるパターンにちょっと入ってしまっている)、もう一点は、(関連しているけれど)表現の自由における社会権的問題の切れが悪いこと。だから、事実関係の重みを抜きにした形式的アナロジーが発動されてしまうことがある。 といってもけなしているわけではなく、感覚も鋭いし、勉強になるとてもよい本です。ちなみに、木川田・辻の国立国会図書館への成人向け出版物納本状況をめぐる研究への言及もあります。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く