カール・マルクスは「宗教とは民衆のアヘンである」と述べましたが、信仰心を感じるときに脳がどのような反応を示しているのかはよくわかっていません。そんな中、宗教的な活動をするときに活性化する脳の報酬系が、ギャンブルや音楽鑑賞で活性化する部分と同じであるとする研究がアメリカの研究者によって発表されました。 Reward, salience, and attentional networks are activated by religious experience in devout Mormons: Social Neuroscience: Vol 0, No 0 http://www.tandfonline.com/doi/10.1080/17470919.2016.1257437 The brain on God https://www.researchgate.net/blog/post
By Christian Weidinger 「音楽を聴く」という行為を物理的に見ると、空気の振動が鼓膜を震わせることで生じた電気信号を脳が感知して音を感じる、ということになりますが、なぜ人間は音を「音楽」として認知し、さらには心地の良いものであると感じるのかは脳科学が発達した現代でもあまりよくわかっていませんでした。そんな脳の秘密が、徐々に明らかになってきています。 New Ways Into the Brain’s ‘Music Room’ - The New York Times http://www.nytimes.com/2016/02/09/science/new-ways-into-the-brains-music-room.html 人間の脳には聴覚野と呼ばれる領域があり、耳の神経からの信号を受け取って「音」として知覚する仕組みが備わっています。しかし、手を叩いたり物が地面
「歩きスマホ」をする際、左右の脳は歩行とスマートフォン操作を別々に処理している――東北大学の研究グループは2月3日、歩きスマホ中の脳活動に関する研究成果を発表した。転倒予防機器の開発やリハビリ訓練に応用できる可能性があるという。 歩きながらスマホを操作すると、年齢を問わず前頭部が活性化することが確認された。若い人の場合は左脳で歩行を、右脳でスマホ操作を処理することでスムーズな「歩きスマホ」ができるが、高齢者の場合は脳の活性化が上手なスマホ操作や安全な歩行につながらず、転倒のリスクを高める傾向にあったという。 今後、脳活動を利用した転倒予防の機器開発や、歩きスマホ時に脳が活性化することを応用した新たな高齢者向けリハビリテーション訓練開発の発展につながる可能性があるとしている。 研究成果は、イギリスの科学誌「BMC Neuroscience」に2月1日付(現地時間)に掲載された。 関連記事 半
発達期の小児の長時間のビデオゲームプレイには一層のケアを喚起 東北大学加齢医学研究所・認知機能発達(公文教育研究会)寄附研究部門(川島隆太教授)は、MRI等の脳機能イメージング装置を用いて、健常小児の脳形態、脳血流、脳機能の発達を明らかにすると共に、どのような生活習慣が脳発達や認知力の発達に影響を与えるかを解明してきました。 この度、同部門の竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループは、小児の縦断追跡データを用いて、ビデオゲームプレイ習慣が数年後の言語知能や脳の微小形態の特徴とどう関連しているかを解析し、長時間のビデオゲームプレイが、脳の前頭前皮質、海馬、基底核といった高次認知機能や記憶、意欲に関わる領域の発達性変化や言語性知能に対する影響に関連していることを明らかにしました。今回の知見により発達期の小児の長時間のビデオゲームプレイには一層の注意が必要であることが示唆されます。 脳の微小な
ほぼ完全な人間の脳を培養することに成功したと米オハイオ州立大学が発表した。妊娠5週の胎児に相当するといい、胎児の脳のほぼ全ての遺伝子が発現しているという。 人間の皮膚細胞から多能性幹細胞を使って培養し、大きさは消しゴムサイズ。発表したルネ・アナンド教授は「これまで培養された中で最も完全な人間の脳モデルだ」と述べている。 培養には16~20週かかるという。ほぼ完全な脳の構造と、胎児の脳に発現する遺伝子のうち99%が含まれるという。 培養した脳は、遺伝子や環境などが原因の神経疾患についての研究や、新薬の迅速な試験などに役立つとしている。アナンド教授は「脳培養プラットフォーム」の商用化を目指すスタートアップ「NeurXstem」の共同創業者でもある。 関連記事 魚にも論理的思考能力を確認 「A>BかつB>CならA>C」判断 大阪市大 魚の1種に霊長類などに匹敵する論理的思考能力があることを大阪市
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