モスクワとコンスタンティノープルの断交(-だんこう、英語: Moscow–Constantinople schism)は、「ギリシャ正教」「東方正教会」とも呼ばれるキリスト教の正教会において、ロシア正教会モスクワ総主教庁と、「全地総主教」という称号を有するコンスタンティノープル総主教庁との間で起こった不和・断交(シスマ)の問題。本稿では特に、2018年に起こり現在まで続く断交と、それに伴って世界各地の正教会に及びつつある不和を中心に、その前史も含めて記す。 前史[編集] 東ローマ帝国(ビザンティン帝国)の国教として発展してきた歴史を持つ正教会(ギリシャ正教)において、その首都であったコンスタンティノープル(ラテン語: コンスタンティノポリス、現代ギリシア語: コンスタンディヌーポリ、現在のトルコ共和国イスタンブール)に座するコンスタンティノープル総主教は「全地総主教(ギリシア語: Οἰκο