トヨタ自動車と宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが共同で、炭素繊維を用いた複合材の製品化を目指すことが14日、分かった。自動車の燃費を改善するための軽量化が主な目的。名古屋大学内に研究開発の拠点を設ける。 同複合材は軽くて頑丈なのが特徴。現在は、航空機などで使用されているが、今のところコストが高く自動車ではほとんど使われていない。トヨタなどが開発を加速するのは、軽量化が課題の電気自動車(EV)をはじめ次世代車などに幅広く活用するためで、日本主導での標準化を実現する狙いがある。 拠点新設の投資額は約20億円で、大半は国からの補助だが、民間も出資する。来年度中に立ち上げる予定で、三菱自動車など、他の自動車メーカーや、鉄道車両メーカーなどが参加する。炭素繊維複合材は、東レなど国内メーカーの技術が優れ、高い世界シェアをもつ。その強みを生かし、産官学の連携で製品開発・生産でも国際競争力を強化す