<再生へ基本計画> 居久根(いぐね)の木々に囲まれた家並みが、広々とした田園にたたずむ。仙台平野の原風景は津波で失われた。 290世帯が暮らしていた仙台市宮城野区南蒲生地区。災害危険区域に指定された30世帯が集団移転を余儀なくされる一方、260世帯は現地再建や自主移転を見据える。住民が置かれた状況はさまざまだ。 立場の違いを超え、古里の再生策を話し合おうと南蒲生町内会(約240世帯)は2012年1月、「南蒲生復興部」をつくり、約20人が中心となって活動を始めた。 NPO法人都市デザインワークス(青葉区)の協力を受け、約60回の会合を重ねて13年3月、復興まちづくり基本計画を作り上げた。居久根の再生や、地域ならではの産業・交流の活性化を進めながら、誰もが安心して暮らせる「新しい田舎」を目指す。 事務局長の吉田祐也さん(29)は「震災前に戻すのではなく、新たな住民を呼び込めるような魅