山形県鶴岡市沿岸部に約38メートルの巨大津波が押し寄せていた可能性があることが、山形大の山野井徹名誉教授(72)=古生物学=らの研究チームの調査で分かった。津波堆積物としては世界で海抜が最も高いという。山形県遊佐町でも20メートルを超える津波の痕跡があり、今後の津波対策を考える上で貴重なデータとなりそうだ。 山野井名誉教授は1990年代に、庄内地方の沿岸部の砂丘で化石の発掘調査をした際、津波の堆積物と思われる地層を見つけた。2011年の東日本大震災発生後、本格的に堆積物の調査を始めた。 鶴岡市4カ所、遊佐町7カ所の海岸から700メートル~1600メートルの地点で掘削作業に当たり、津波堆積物とみられる層を発見。海抜が最も高いところは鶴岡市が37.9メートル、遊佐町は20.5メートルだった。 十和田火山の噴火(915年)で積もった火山灰の層を基準に、年代も測定した。堆積物から採取した炭素の成分