あらゆる人間は、時間的な限定と次世代への情報の非継承といった存在であるが故に、世界の全てを把握してはいない。部分的な情報のみを全てとして日々を生きている。 われわれは世界の全てを知らない。だが、世界の部分としてのわれわれが、まるで世界の全てを知っているかのように統制がとれたふるまいを示している。現代の世相を表出しているのは、全てが、「ルール」の存在を根源とする。 ルールとは、一つには、憲法だ。一つには、教育だ。人間の考え方をどう育てていくかによって、人間は相互に複雑に作用し、初期状態とはまったく予測できなかったような結果を生み出すこともある。初期状態のルールがわずかに違うだけで、その違いが世界に大きな影響を及ぼし得る。ルールは、あらゆるものの基本となる、大切な部分だ。たかがルール、されどルールということだ。 インターネットの世界は、また一つの複雑系である。世界の人々を巻き込み得るといった意