物理を教えてほしいという生徒がいたため、一年かけて高校の「物理Ⅰ」を教えていた。啓林館、第一学習社、実教出版の三社の教科書を見比べながら、進めていた。 そうしたら、高校の教科書がいったいなんであるか、長所も短所もよく見える気がした。 三社の内容はよくそろっていた。ところが、文科省指導要領を見ると、高校の教科については大綱化がよく進んでいる。たとえば、「波」については ア いろいろな波 イ 音と光 (ア) 音の伝わり方 (イ) 音の干渉と共鳴 (ウ) 光の伝わり方 (エ) 光の回折と干渉 ウ 波に関する探究活動 しか書いてない。 指導要領はうるさくないのだから、他にいくらでも教科書の作りようはあるだろうと思ったが、実によく揃っている。 教科書同士を比較しやすくて有り難いとも思う。しかし、なぜここまで揃うのかとも思う。説明の質も、天下り的である。簡略で的確であるという長所があるが