新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりが経済に暗い影を落としている。 今回のパンデミック(世界的な流行)が与える経済へのインパクトを1930年代にアメリカで起きた「世界大恐慌」と重ね合わせる専門家が多くなってきている。当時の失業率は30%程度まで拡大した。日本に当てはめれば1800万人が失業するような異常事態だ。リスクマネジメントとは、つねに最悪のシナリオを想定して、それを乗り越えるシミュレーションをして準備する必要がある。 ところが、日本ではまだそうした緊張感や切迫感が希薄なような気がしてならない。その背景には企業が抱える463兆1308億円(2018年度)とも言われる「内部留保」があるのかもしれない。 「うちは従業員の給料の数年分の内部留保があるから倒産しない」――大企業であればあるほど、安心感がある……。そんなイメージを持っている人も多いのではないか。しかし、この新型コロナウイルス