連載「人事と経営のジレンマ」第4回では、カゴメ株式会社CHO(最高人事責任者)常務執行役員の有沢正人さんにお話をお聞きしました。 前・中・後の三編でお届けする記事の前・中編では、有沢さんが組織開発の現場で手がけてきた事例を通して、「経営のための人事の在り方」について議論を深めていきました。記事の締めとなる後編では、カゴメが抱えている経営的な課題にも触れながら、「他社、他者と知ることの重要性」や「守るために変わるべきこと」について語り合いました。 リーダーシップとマネジメントの違い。ブランドを守ることも人事の役割 埼玉大学経済経営系大学院 准教授 宇田川元一氏(以下、敬称略):私はドラッカーの『産業人の未来』が好きなんです。今では『マネジメント』のほうが有名になってしまいましたが、思想的には前者のほうが大事だと思っていて。 カゴメ株式会社 有沢正人氏(以下、敬称略):僕もドラッカーは大好きで