人口約8500人の徳島県海陽町の個人商店「ショッピング大黒」が、「四国一ホットなスーパー」として県内外から客が訪れるほど人気だ。何がウケているのか。ライターの甲斐イアンさんが取材した――。 オーガニック商品がずらりと並ぶ田舎の商店 徳島市内から車で1時間40分ほどの場所に、四国のみならず全国から話題を集める「商店」がある。 サーフショップや民宿が並ぶ国道を外れて、町中の細い路地を進む。徳島県最南端の町、海陽町にある創業54年のローカルスーパー「ショッピング大黒」だ。
人口約8500人の徳島県海陽町の個人商店「ショッピング大黒」が、「四国一ホットなスーパー」として県内外から客が訪れるほど人気だ。何がウケているのか。ライターの甲斐イアンさんが取材した――。 オーガニック商品がずらりと並ぶ田舎の商店 徳島市内から車で1時間40分ほどの場所に、四国のみならず全国から話題を集める「商店」がある。 サーフショップや民宿が並ぶ国道を外れて、町中の細い路地を進む。徳島県最南端の町、海陽町にある創業54年のローカルスーパー「ショッピング大黒」だ。
この苦境についてはさまざまな要因が指摘されている。物価上昇による値上げの中で、実質賃金も伸び悩んでいるという景気の問題、さらには企業の経費削減で、飲み会や接待がかつてより減少していることがボディブローのように効いているという人もいれば、店の人手不足やコロナ支援が打ち切られたことが問題だという人もいる。 そんな中で、かなりの人が「実感」をもって語られているのが、「夜の街離れ」だ。 かねてキャバクラ、ラウンジ、ガールズバーに足繁く通ってお金を落とすような男性が減ってきた、という声が現場で働く人たちからも聞こえていたが、昨今の若者の「アルコール離れ」もあって、その傾向がここにきてさらに拍車がかかっているというのである。 「カネをドブに捨てるようで虚しくならないですか?」 実際、筆者も20~30代の若い男性たちと飲みに行くと、こんな「正論」を突きつけられることが多い。 「そんなに女性と会話をしたけ
雑誌(コミック含む)市場の売り上げは、ピーク期の1万5633億円に比べて30.7%の4795億円まで激減した。書店の消滅はもう避けられないのか。『2028年 街から書店が消える日 本屋再生!識者30人からのメッセージ』(プレジデント社)を出した中小企業診断士の小島俊一さんが解説する――。 書店業は産業構造として成立していない トーハンの執行役員、明屋はるや書店の社長を務めた私が多方に取材して行き着いた出版界の課題は、「利幅の薄さ」「物流の硬直性」「教育の不在」の3点に尽きます。 街の書店は危機に瀕していて、その数は7000軒を切りピーク時の半分以下になり、地方自治体の4分の1には書店が無くなりました。それは何故なのか? 解決の方策はあるのか? 街の書店の現状と課題についてお伝えしようと思います。 書店業は産業構造として成立していません。どんな業種も粗利益の範囲内にコストが収まらないと赤字に
集団がん検診で早期発見は期待できない 市町村や勤務先で行われている集団がん検診は、厚労省の指針に従って実施されているが、早期がんの発見は期待してはいけない。毎年欠かさず検診を受けていたのに、「発見された時には、すでに進行がんだった」というケースが続出しているのだ。 このような不条理が起きる理由について、関係者の多くは語ろうとしない。医療界のタブーだからだ。 厚労省が市町村に推奨している、がん検診は5つある。 ・胃がん検診:X線検査、または内視鏡検査(胃カメラ) ・肺がん検診:胸部X線検査、および喀痰かくたん細胞診 ・大腸がん検診:便潜血法 ・乳がん検診:乳房X線検査(マンモグラフィ) ・子宮頸がん検診:視診、子宮頸部の細胞診、および内診 「過剰診断につながる検診は最善ではない」 厚労省は、市町村などの集団がん検診について、「対象集団全体の死亡率を下げる」という目的を掲げているのだ。これを対
「塩が高血圧の原因」は大間違い…どれだけ食べても体に害はないミネラル豊富な国産の天然海塩の"商品名" よく出回っていいる精製塩はダメだが、"塩"を摂らないほうが早死にする 「塩は体に悪い」「減塩は体にいい」は大間違いである理由 日本人は塩を摂りすぎている。動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、脳出血など循環器系の病気を予防するには、塩分控えめを心がけなければならない――。そう思って、日々減塩に取り組んでいる人も多いでしょう。「塩は体に悪い」「減塩は体にいい」は、日本の健康常識になっています。 スーパーやコンビニに行けば、食品のパッケージに「無塩」「減塩」「塩分○%カット」の文字が並びます。厚生労働省も1日あたりの食塩摂取目標量を10.0g(2004年まで)から5年ごとに引き下げ、現在は男性7.5g、女性6.5g未満に設定しています。 こうした官民挙げての「1億総減塩志向」とも言える意識づけが成功し、
小林製薬の紅麹による健康被害 小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人に腎障害などが起こり、これまでに5人が死亡、257人が入院したと報道されました。大変残念で、悲しいニュースです。 この紅麹はカビの一種で、古くから食品の発酵や着色に使用されてきたもの。ただし、味噌や日本酒に使用されている麹こうじとは別種です。その後、小林製薬が自社製造の紅麹原料の成分分析を行ったところ、一部に意図しない成分が含まれている可能性が判明しました。現時点では原因物質の候補は上がっているものの、詳細は未だ調査中とのことです。 日本におけるサプリメントを含む健康食品の市場規模は約1兆円。毎日たくさんの健康食品の広告がテレビやインターネットに流れ、どうしてもメーカー側に都合のよい情報ばかりが目立ちます。そのせいで健康食品は効果的で安全だと思っている人も多く、今回のニュースに驚かれた人もいるのではないで
飼いネコを獣医に連れていって気づいたこと 先日、飼いネコにマイクロチップを入れようと思い獣医さんに連れて行きました。 「2022年6月以降に新たに犬やネコをペットショップやブリーダーから購入する場合は、マイクロチップの装着が必要」というニュースを見たからです。 いつもの獣医さんにマイクロチップを埋め込んでもらい、その後、リーダーの番号とチップの番号が合うかをチェックしてもらいます。 しかし、なぜかそれが合わない。「あれ? あれ?」と獣医さんも慌てています。 そして数分後、意外なことがわかりました。なんと、うちのネコは、今回埋め込む前から、別のチップがすでに入っていたのです。 最初のチェックの際に反応していたのは、その古いチップでした。新しいチップのほうもその後、反応したことで、今回の顛末が明らかになったのでした。
50代から豊かな老後を送るにはどうしたらいいか。医師の和田秀樹さんは「50代になったらこれまでの『常識』は捨て去り、仕事の責任やお金の心配は脇に置いてでも、自分の人生を楽しむべきだ。そのほうが結果的に、仕事や家族も含めたトータルの人生が豊かになっていく。老後に楽しみをとっておくなんてバカな考え方は、しないほうがいい」という――。 ※本稿は、和田秀樹『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)の一部を再編集したものです。 50代で「まだまだ自分のことはガマンして頑張る」は大間違い 人生100年時代などといわれますが、そう考えると、50代はちょうど折り返し地点と言えるでしょう。 年齢的にだけでなく、仕事や人生のステージにおいても、登山で言えば、すでに上り坂を過ぎて、頂上を経験し、今や下り坂を歩み出していると感じている人も多いと思います。 そのいっぽうで、今の50代が背負う荷物は、決して軽くあ
科学的に効果が高くない勉強法1 繰り返し読む(再読) 教科書や本は何度も繰り返し読んだほうが良いと、どこかで聞いたり読んだりしたことがある人は多いかもしれません。繰り返し読む、再読するという勉強法は、最も一般的な勉強法の1つだと言えます。 アメリカのある名門大学の学生を対象にした調査では、アンケートに答えた84%の学生が、ノートや教科書の再読を試験対策に使う勉強法として挙げていました。そして、アンケートに答えた半数以上(54.8%)の学生が、再読が最も重要な勉強法だと回答しました。 では、再読は、効果の高い学習方法と言えるのでしょうか。 結論から言うと、「ただ繰り返し読むこと」は、『科学的根拠に基づく最高の勉強法』で説明するような他の勉強法と比較すると効果が低いことがわかっています。 ★研究 コロラド大学の大学生たちを対象とした研究では、約1500~1700語の文章を再読するグループと、再
海のそばに暮らすだけでストレス解消できる 心理療法のひとつに、「転地療法」と呼ばれるものがあります。 激しい気分の落ち込みや、抑うつなどで悩んでいる人も、引っ越しをして気候の違うところで暮らしていると、さまざまなメンタルの病気がすっかり治ってしまうことがあるのです。居住地を変えるので「転地」という言葉がついているのですね。 さて、もしこれから引っ越しを考えているのだとしたら、なるべく海のそばがいいかもしれません。なぜかというと、海のそばで暮らしている人のほうが心の病気になりにくいことが明らかにされているからです。 イギリス・デヴォン州にあるエクセター大学医学部のマシュー・ホワイトは、長期間のパネル調査によって、海のそばで暮らしている人のほうが、なぜか精神的に健康で、悩みなどとは無縁であることが多いという事実を突き止めました。 そういえば、沖縄には長寿の人が多いと言われています。沖縄は、年間
私たちの足腰や体幹の筋肉は、加齢や不活発な生活を続けることによって、どんどん弱ってしまいます。30歳から80歳までの間に、普通に生活しているだけで、太もものサイズと筋力は、およそ半分に減るのです。 しかも、これらの弱りやすい筋肉はすべて、「立つ」「歩く」「座る」といった、ふだんの生活での基本的な動きを支えているものです。これらの筋肉が弱ってしまったら、日常の基本動作さえ、おぼつかなくなります。 スクワットは人間の動作の基本中の基本 私がスクワットを皆さんにお勧めする理由が、まさにここにあります。スクワットは、しゃがみ込んで、そこから立ち上がる動作を繰り返します。非常に単純な運動ですが、この動きは、人間の動作の中でも基本中の基本の動きです。 ハイハイしていた赤ちゃんは、まず立ち上がろうとします。歩き出すのは、立つことが前提の運動です。赤ちゃんが立てるようになるというのは、極めて大事な瞬間なの
『週刊文春』のスクープによって芸能界の性加害問題が明るみに 『週刊文春』が昨年末、吉本興業に所属する松本人志氏の性加害疑惑を報道。ジャニーズ児童性虐待問題で被害者が立ち上がったことで勇気づけられた、と松本氏の性加害を告発した女性は語っている。報道が事実であれば、これはMeToo運動だ。かねてから噂うわさされていた芸能界における女性への性加害問題の一端が、文春の相次ぐ告発記事によって、とうとう表に出てきているように見える。 疑惑の内容は、松本氏の後輩芸人から声をかけられ、高級ホテルで開かれた飲み会に参加したら、そこで松本氏に性行為を強要された、というもの。東京、大阪、福岡で起きたとされ、複数の女性が証言している。 だが松本氏は報道内容を否定し、訴訟を起こすと言明している。そして、告発した女性たちへのバッシングが、ネット記事やSNSなどで広がっている。 「何年もたってから、なぜ今告発するのか」
「1億円プレーヤー」の生産者が現れはじめた 肥料や農業資材、エネルギー……、ありとあらゆるコストは上がるが、大手流通が支配する市場構造の下、小売価格は上がらない。だから農家は儲からない。それどころか生活すらままならない。 そうして誰も跡を継がず、生産者が減る。命を守る食料のはずなのに、外圧に負けて輸入自由化だけを進め、国内生産の苦境に手を差し伸べない。結果、自給率は下がる一方――。 そんな悪循環に陥ってきた日本の農業の現状を変えることはできるのか――。 処方箋を発見した。 和歌山県で「1億円プレーヤー」の生産者が現れはじめたのをご存じだろうか。 農林水産省がまとめている営農類型別経営統計(令和3年)によると農業で生計を立てている主業経営体の農業粗収益は1638.8万円(農業所得は433.5万円)。そんな中、和歌山県ではなぜ1億円に達するような売り上げを誇る農家が増えているのか。 和歌山の名
しかし歩行者にぶつけられた、邪魔だと怒鳴られたなど「立ち止まり派」から歩行禁止を求める声は根強く、近年は障害などで左側の手すりにつかまることができない人にとって危険という指摘もあり、歩行論争は具体的な取り組みに発展している。 2021年3月に全国初の「エスカレーター歩行禁止条例」を制定したのが埼玉県だ。これはエスカレーター利用者に「立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない」、事業者(管理者)に「利用者に対し、立ち止まった状態でエスカレーターを利用すべきことを周知しなければならない」との努力義務を課す内容で、同年10月1日に施行された。 名古屋市も今年10月から「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を施行し、「立ち止まっての利用」を義務化。エスカレーター歩行を禁じる流れができつつある。 「歩行はやめたほうがいい」と考える人は年々増加 だが2022年10月3日
「やっぱり睡眠力は大事」と思える健康被害の数々 睡眠力の低下(※)が、健康に与える悪影響ははかりしれません。 ※経済協力開発機構(OECD)の調査(21年)では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、33カ国(平均8時間28分)のなかで最下位 2023年、北海道大学大学院・先端生命科学研究院の研究チームが、北海道寿都町在住の35人の睡眠記録を精査し、睡眠不足が腸内環境にどのような影響を及ぼすか調査した結果を報告しました。これによると、睡眠時間が短い人ほど、「αディフェンシン」という物質の分泌量が減少することがわかりました。この物質が減少すると、腸内環境が大きく乱れることになります。 αディフェンシンはある腸内細菌が食物繊維をエサにして作り出した物質で、腸内に侵入した病原体を攻撃するはたらきを持っています。 これは、免疫力を高めてくれる善玉菌にも影響を与えていると言います。睡眠ホルモンと呼ば
「解体的な再建」をせず、芸能人パワーで目をそらせようとした ジャニーズ事務所の隠蔽いんぺい体質と同族経営解消。 これが再発防止特別チームの調査報告書が求めた「解体的出直し」の核にあったはずだった。だが7日に開いた記者会見でジャニーズ事務所は、この2つとも徹底的に無視した。被害者の心のケアの大切さについては、ほとんど理解していないことも明らかになった。目玉は大物タレント2人の登場だったが、「タレントを使って実質ゼロ回答から目をそらせようとした」というのが、この会見の本質だった。 きっかけとなったBBCのドキュメンタリー番組『J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル』が世界で公開されてから、ジャニーズ事務所はずっと記者会見から逃げ回ってきた。それから半年。やっと開いた会見で、事務所が行ったのはタレント2人を矢面に立たせること。それは本来明らかにするべきことを隠蔽するのと、表裏一体の仕掛けとな
治療をせずに最後を迎える人は非常に少ない 外来診療をしていると、「要介護状態になりたくない」「他人の世話になってまで長生きしたくない」という声をよく聞きます。とくに高齢の患者さんからは「もう十分生きた。早くお迎えが来てほしい。治療やリハビリなど無駄なことはもうたくさん」と言われることも日常です。 しかし、もし本当に「寝たきり」や「他人の世話になりたくない」というのがその人の最も重要視する希望であるならば、むしろ適切な治療やリハビリを行っておいたほうが得策ではないかと、そのような人に私は言うようにしています。なぜなら人である以上、その状態を経ずに最期を迎えるケースは、じつは非常に少ないからです。 加齢・老化による生活機能低下は、個人差はあれ、すべての人が直面せざるを得ない問題であって、その自然の流れを力ずくで変えることは不可能です。巷ちまたには「寝たきりにならないために」とか「認知症にならな
この人は、毎日、勉強していて楽しかったのだろうなぁと思いました。勘は鋭いし、具体的なことから抽象的なことを読み取る力も優れているし、一緒に話したら楽しいだろうなぁと思って、頁を捲ったのでした。 さて、宣長のすごい業績は、三つあります。 ひとつは、古典研究についてです。なんと言っていいのか分からない、ことばにしてしまうと失われてしまうかもしれない、日本的な情緒を「もののあはれ」ということばで表すことができたからです。 二つめは、日本語の文法についての研究、三つめは漢字音研究です。 さて、本居宣長の日本語の文法の研究の中心は、「係り結び」と「活用」です。「係り結び」は高校の古典で習いましたね。「ぞ、なむ、や、か」という「係り助詞」があると文末の活用形が連体形になる。「こそ」があると已然形になる。 これを発見したのは、本居宣長です。 古代日本人思考を知るカギだった 我々がいわゆる「古典」で習う『
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