部下を持ったことのある人なら、人の心がいかに思い通りにいかないものか…とさまざまなかたちで思い悩んだことがあるでしょう。 かくいう私も、20代後半で仕事に対する熱意と勢いのよさを買われ、特に研修なども受けずに管理職を任されて以来、その難しさに七転八倒して、奥歯をギシギシと噛みしめてまいりました。自分ひとりで思うがままに仕事をコントロールするのと、人に動いてもらって結果を出してもらうことは「まったく別物」です。 BMW社長、ダイエーCEO、横浜市長を歴任する林文子氏は、「命令」をやめ、部下をお客様としてみることで、仕事の成果があがるとその著書『部下を「お客さま」だと思えば9割の仕事はうまくいく』(KADOKAWA/中経出版)で語っています。 お客様をコントロールして売ろうとするのではなく、お客様の気持ちを汲んで、喜んでもらえる解決策を提供し続ける。営業の世界でトップになった林氏の、そんな経験