同社が、アパートの賃料査定にAIを活用できるかどうかを検討し始めたのは2016年ごろ。物件の賃料というのは、物件そのものの“スペック”に加え、周辺環境や周囲の物件も絡み合うため、正解が「存在しない」のが特徴だ。そのため、業界全体で賃料決定に至るまでのメカニズムが分かりづらくなっていた。家賃査定システムの導入を先導した、同社コーポレート業務推進部の大塚雅人さんはこう話す。 「レオパレス21でも、従来は周辺の相場や過去の実績を基に、本部側の専門部隊が賃料幅を決めた上で、物件を扱う営業所の責任者が、地域ごとの状況を踏まえた見直しを行っていました」 しかし、本部が決めた家賃と、物件の地域性などをより詳しく把握している営業現場の家賃希望に乖離があることも少なくなく、本部と現場との価格見直し作業の業務負荷が大きかったという。 そこで、同社では値付けの透明性を確保するための参考値として、他社が販売してい