1966年に発表されたアンドレ・グンダー・フランクの論文「ラテンアメリカにおける低開発の開発」は、それまでの先進国と後進国の対比によって語られる低開発イコール発展段階の遅れとする見方を否定し、サテライト(衛星)諸国の低開発はメトロポリス(中心)諸国の開発によって作り出されたものであると主張して衝撃をあたえた(「低開発の開発」)。フランクによればイギリスにおける開発とインドにおける低開発はいわばコインの裏表であり、一つの歴史的なプロセスにおける2側面である。世界資本主義とは、このような裏表をなす2つの部分より成り立つ構造なのであり、開発と低開発の問題を考慮するには、この構造そのものを検討しなければならないとした。 エジプト出身の経済学者サミール・アミンは、フランクの従属理論を踏襲し、経済学的に展開することを試みた。彼は世界資本主義を中心部と周辺部とに二分して、両者の関係をフランクが単に経済余