おひとりさま女子とはよくいったものだけれど。 ただの女ひとりに“お”も、“さま”もない。“子”でもない。 ひとりは淋しいのでも、ダサいのでも、暗いのでもない。 流行に乗っているのでも、気取っているのでもない。 私はどこへ行くにも基本的にひとりだ。 誰かと一緒の楽しさも知っているけれど、本当に好きなこととはじっくり向き合いたいから。 人生につまずいて生きる力をうしなっていたとき、競馬と出会った。 世界の美しさを思い出させてくれた競馬にどんどん魅せられていった。 自分で自分を抑圧し、自分を赦せなかった私は、生きる喜びと自由を競馬の中で見つけたのだ。 それをこころよく思わないひともいた。 十年来の親友には「女がギャンブルなんて」と顔をしかめられた。 つきあいはじめた男性には「僕と競馬どっちが大事なの」と問いつめられた。 みんながみんなそういう人間ばかりじゃないよと頭では理解できたものの、心から信