互いの自宅を行き来し、薬物が入った注射器を打っては快楽を味わう。仙台市内の同じ市営住宅に住む30代の主婦3人が昨年7〜9月、宮城県警に覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された。3人は「気分がすっきりした。やせたかった」などと供述。限られた生活空間の中で親密度を深めていった背景には、薬物使用者同士をつなげる「副作用」があった。(吉原知也) 「また食べない?」 無機質なコンクリート壁の団地が立ち並ぶ仙台市営住宅の一室。昼下がりに近所同士で夕飯のおかずを分け合うかのように、主婦A子(32)が主婦B子(36)に手渡したのは覚醒(かくせい)剤の水溶液約0・05ミリリットルが入った注射器だった。 さかのぼって、今から1年ほど前の飲食店で、A子とB子の2人は人目を避けるように酒を飲みながら、小さな声で互いの過去を打ち明け合っていた。 A子「実は覚醒剤をやっているんじゃないの」 B子「何年か前に」 A子「実は私