相変わらず、ひと続きのシーンがものすごく長いですね。たとえばお酒の席で始まったちょっと込み入った長話……程度のシーンが、この作品ではなんと100ページ近くもかけて描写されたりしています。 だから全体の長さが1000ページ近くあるのに対し、シーン数は20もあるかどうかというところ。そのせいかどうかは分かりませんけれど、読んでいる間の体感時間は驚くほど短いものでした。 これだけのことを書くのに、よくこれだけの長さの作品を……と最初は思いましたけど、そこに盛り込まれた内容量を振り返ってみるとたしかにそのくらいの文字数が必要だったようにも思えます。 今回は今までにも増して「相互に無関係に思える要素」が多く、物語はお話が進むにつれてどんどんしっちゃかめっちゃかに拡散していきます。単純に「人の仕業とは思えない」というレベルではなく、「たとえ超常現象を全面的に受け容れてみてもなお整合性が成り立たない」と