29日に厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率で、建設業では基幹職種のとび工、鉄筋工、型枠大工が6・74倍に上り、全体の1・10倍に比べて突出し、深刻な人手不足に陥っている。 職人の高齢化も進行しており、このまま若年層の就業者が増えず、高齢層の引退が進めば、国内の建設は立ちゆかなくなる恐れがある。 ◆工事に遅れ 「マンション完成が計画より2か月ほど遅れるかもしれない。賃金を上げても職人が集まらない」 東京都西東京市のゼネコン「菊池建設」の菊池俊一社長(44)は表情を曇らせる。業界で職人の奪い合いが起き、大雨などでいったん作業が遅れると、回復のための増員ができないため、他の工事も順繰りで遅れるという。同社の来春卒の大学生の採用活動も、現段階で内定人数は目標の3分の2にとどまっている。 建設業では、東日本大震災後に復興需要が増えた上、昨年から景気回復で民間需要も増え、急速に人手不足が進んでいる