国民の約8割がヒンズー教を信仰するインドで、自治体がイスラム教徒の住宅や店を重機で撤去する動きが相次いでいる。当局は「違法建築」をその理由に挙げるが、4月にはヒンズー教徒との衝突に関与したとされるイスラム教徒の家や店が壊されていて、狙い撃ちにされた可能性もある。地元メディアは、ヒンズー至上主義を掲げる与党・インド人民党(BJP)の後押しがあったとみて、その強権ぶりを批判している。 「何もかも壊されてしまって仕事にならない」。首都ニューデリー近郊のジャハンギルプリでバイク修理店を経営するグルレーズさん(36)は、がれきに埋もれた店先で途方に暮れていた。