金価格高騰の勢いが国内外で止まらない。世界的な景気後退で宝飾品などの需要は冷え込んでいるが、ドル安を背景に投機資金が流入しているほか、長期的な資産運用先として個人投資家の金投資も増え、相場が過熱している。 ニューヨークの金先物市場では13日、指標となる価格の終値が1トロイオンス=1116.7ドルをつけ、史上最高値を更新した。 主要通貨に対するドル下落を背景に、投資家は株式や債券といったドル建て資産の目減りを避けるための「代替投資先」として金に着目。中国やインドなどの新興国の中央銀行が外貨準備の一環として金保有を増やしていることも、上昇を後押ししている。 国内市場も10月以降に上昇基調に転換。東京工業品取引所の金先物価格は12日、一時1グラム=3250円と約1年4カ月ぶりの高水準となった。個人向けに金地金を販売する田中貴金属工業の小売価格も同日、1グラム=3425円の年初来高値をつけた