路地裏スイング11年。牛乳パックのストリート・ゴルフは、時代の流れを呼び込んで。世に打ち返す、音鈍き渾身のナイスショッツ! 向こう側からやって来る車をかわし、自転車をよけ、通行人には「危ないからあっち側を歩いてくれねえかい?」。安全確認をした後、深呼吸し定位置に。「テレビに映るプロゴルファーの見よう見まねだ」というそのフォームは、なかなかさまになっている。腰を切り、一球入魂。“パコーン”という鈍い音が響く。 昼夜かまわず気の向くままに路地裏に現れ、好きなだけスイングをかますパトリック・バー(55)。ストリートでは“タイガー・フッド”の名で知られ、ここ最近では世間を賑わせている男。街を行き交う老若男女から写真をせがまれ、路上ゴルフ動画をインスタにポストすれば再生回数1万を超える。スポーツウェアブランドやストリートブランドからもてはやされ、ブランドの広告塔にもなる。これは、趣味へ没頭していたら