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ブックマーク / yashio.hatenablog.com (10)

  • 外国人を労働力の機械にするシステム - やしお

    NHKスペシャルの『夢をつかみにきたけれど ルポ・外国人労働者150万人時代』(7/13放送)を見て、こんな風に人の人生と労働力を掠め取る仕組みなんだなと思った。留学生・技能実習生の問題は色んなところで散々指摘されて今さらのような気もするけれど、現在進行形の話でもあるし(今年の4月に入管法が改正されて拡大している)、自分が忘れないように整理しておこうと思った。 番組ではベトナム人に絞って事例が紹介されていた。 留学生の20代の青年が、退学して密漁に加わって転覆して死ぬまでの事例を追っていた。 日語を習得して日での学習・労働実績もあれば、帰国後も日系企業に就職できて高収入が望める。またベトナムの平均月収は17,000円だから、仕送りもできる。貧しい村で生まれたその青年は高校卒業後にベトナム国内で働いていたが、20歳で一念発起して日へ留学する。ここで100万円の借金を負う。 日で語学学

    外国人を労働力の機械にするシステム - やしお
    nagayama
    nagayama 2019/07/18
  • 2000万円が偶然ある - やしお

    老後に2千万だか3千万円が必要だという。もちろん退職金と個人年金はある前提で。とても簡単なことだ。 まず男に生まれること。これは大前提だ。女性が安定して高い給与を得られる社会になっていない。男が稼いで女は子育てと家事というモデルは国家の経済的な後退によってすでに終了しながら、その価値観だけはいびつに残存し、「結婚や出産で退職する可能性が高いから」と最初からキャリアを捨てさせ給与水準を抑え込まれる。 さらに逆算して「だから学業もそこそこでいい」という価値観も押し付けられる。医者の大学が入学試験で男に下駄をはかせて、「だって女はキャリア積めないでしょ」と公然と言い放つような社会なのだ。「女はコミュ力があるからその分点数さっ引かないとフェアじゃないから」と平気な顔で言う。コミュ力を高くしなきゃ生きていけない、周囲から「女は気を遣えて当然」という理不尽な期待を押し付けられ、それで能力を伸ばしたら今

    2000万円が偶然ある - やしお
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    nagayama 2019/06/25
  • 人間にもセーフモードがほしい - やしお

    人間はロボットじゃないから、判断力は簡単に低下する。 病気、睡眠不足、貧困、暴力とかで、心が簡単に弱々しくなる。心が弱ってる時は、「都合の悪い可能性」を直視できなくなってしまう。だって、それを直視してしまったらもう、心が壊れてしまうから。 「損して得取れ」って言葉があるけど、それは余裕がある時にしか取れっこない戦略だ。 HPが10しかないのに「一旦ダメージを50らう」なんて選択肢ない。HPが100ある人に「防御コマンド繰り返しててもジリ貧ですよ」「一旦ダメージを50らって次のターンで攻撃しなきゃ勝てませんよ」とか言われたって、HP10の人は「そんなこと言われたって私には無理だよ……」と呟いて、防御コマンドを繰り返すしかない。 誰だって「自分は損している」「自分は馬鹿だ」なんて思いたくない。「自分は最良の選択をしている」と自分で信じたい。だから、当は追い込まれて選択しているだけの「防御

    人間にもセーフモードがほしい - やしお
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    nagayama 2019/02/12
    時間やお金が欠乏した状態が人の行動にどのような影響を与えるかが欠乏の行動経済学という本にあったのを思いだした
  • オリンピックや医大で見せられる部分最適のこと - やしお

    人が死ぬレベルで暑いけどオリンピックはどうするの、という話で「打ち水をする」「マラソンを早目の時間にやる」といった案はせいぜい部分最適でしかなく(それすら怪しく)、全体最適なら「10月に開催する」(あるいは開催しない……)でしかない。 女性の医者は結婚や出産を機に退職してしまう、という話で「男性の医者を増やすために医大の入試で女性だけ点数を下げる」は医大側の狭い損得から導かれる解でしかなく、全体最適なら「医者や女性の(性差別に基づく)労働環境・構造を改善させる」でしかない。 誰だって真っ先に思いつく全体最適の解が踏みにじられながら、対症療法が「必要悪」「妙案」として当に実行される姿を見せられると、たとえそれが自身の利害に直結する話でなかったとしても精神が疲弊する。誰だって自分たちが生きている世界で「まとも」がきちんと機能するところを見たい。部分最適によってひずみやしわ寄せが発生して苦しむ

    オリンピックや医大で見せられる部分最適のこと - やしお
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    nagayama 2018/08/14
  • システムをハックする首相 - やしお

    安倍首相・内閣の言動がはちゃめちゃだとするなら、「どんな風にはちゃめちゃなのか」というより「どうしてはちゃめちゃが成立するのか」の方に興味があるし、「首相は愚かだ」と嘆くよりは「愚かな事態をシステムはどのように許したのか」を知りたい。 今の時点でどう見えているか記録を残しておけば、10年後くらいに読み返して面白いかもしれないと思って。 はちゃめちゃが成立する構造 はちゃめちゃが安定して存在するには、「はちゃめちゃを許容する構造」と「はちゃめちゃを用意する構造」の両方が必要になる。 おふとん(=眠気を許容する構造)と眠い人(=眠気を用意する構造)の両方がそろって安定した睡眠が成立するみたいな感じ。おふとんだけあっても全く眠くなければ睡眠は発生しないし、眠い人がいてもおふとんが無ければぐっすり眠れず目が覚めてしまう。 それから眠くなかったのにおふとんに入ったら眠くなってしまうといった、「許容す

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    nagayama 2017/06/02
  • つらいということ - やしお

    先々月に父が急死した。 もし親が死んでも自分は意外と平気でいられるんじゃないかと考えていた。何かを整理して考える力も大分ついてるし大丈夫かもしれないと侮っていたが実際はまるで平気ではなくて自分でも驚いた。体験を通さないと当には分からないことが確かにある。 12月14日(金)の昼前、母から「父と昨日から連絡がとれない」とメールが入った。両親は離婚して別々に住んではいたものの、連絡を取り合ったり会ったりもたまにしていた。 前日が僕の誕生日で、田舎から両親の名義でお菓子が届いていたから、二人宛にお礼のメールを出していた。いつもは電話をかけてくる父親から返事がなかったから変だなとは思っていた。 僕の誕生日のこともあり10日ぶりに母も父に連絡をとろうとしたようだが、メールの返事もなく、電話も「電源が入ってない」のメッセージばかりだという。それで警察と部屋を見に行ってくるという。 事故か、失踪か、病

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    nagayama 2016/12/15
  • 悲しいだけ - やしお

    2ヶ月半前に母が亡くなった。自殺だった。 4年前に亡くなった父と同じ64歳で、4年前と同じように仕事中に「亡くなっていたよ」とふいに知らされた。違うのは、病死ではなく自裁だったことと、4年前に携帯電話越しに父の死を伝えたのは母だったのが、今度はその母が死んで姉が伝えてきたことだ。母の「ゆう君、お父さん、亡くなってたよ」といつもと違う妙に間延びした4年前の声も忘れられないし、姉の「ゆう君、お母さん亡くなってたって」と涙ぐんだ声も忘れがたい。 火曜日に外注先で仕事をしていて、正午になったから休憩に入ろうかと思ったときに姉から電話が入った。地元に住む姉の名前が表示された画面を見た瞬間に、母親のことだな、亡くなったという話かもしれないと思った。平日の朝は母親とメールを交わす習慣になっていて前日月曜と当日は返事がなかったから変だなと思っていたからだった。いつも朝7時頃にこちらからメールを出すと、30

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    nagayama 2016/12/15
  • 組織のなかで働く技術 - やしお

    会社には専門分野の技術とは別に、組織の中で働くための一般的な技術がたくさんある。学校で体系的に教えてもらうものじゃないから会社に入って身に着けていく。僕自身もう会社に入って8年半になるからずいぶん知見が溜まってきた。後輩や新人がその習得に自分と同じ時間をかけるのはもったいない。一度全体を整理しておきたいと思っていた。 それで書いてみたら長くなって、3分の2に圧縮したけどまだ長いのであらすじだけ先に書いておく↓ 働く上でいろいろな制約が存在していて、その制約に対抗する手段としていろいろな技術がある。この制約-手段のつながりを見ず単に結果としての技術だけを覚えても応用がきかないし身につかない。この技術にはレベルがあって、このレベルがちぐはぐだと上手くいかない。 「能力と時間」、「ルール」、「他人の感情」、「自分の感情」、「人間の生理」という5つの制約について「制約→技術」を展開していく。最後に

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    nagayama 2016/09/11
  • 低ハードル方式で人との関係を築く危険性 - やしお

    あれ、この人なんか自分のこと嫌いになったのかな、飽きたのかな、と不安になることがある。前はもっと話しかけてくれたり誘ってきてくれたり、もっとよく笑ったりしてくれたのに、最近なんか冷たいような気がする。でも別の人にはあんなに楽しそうに笑ってる。なんだろう。そんな不安感を抱くというのは割とありふれたことだと思うけど、案外その相手の方は何とも思ってなかったりする。 これは対人関係の形成の仕方として、低ハードル方式を採用している相手だと自然に起こることなんだと思ってる。「低ハードル方式」というのは私が勝手につけた正式でもなんでもない用語。 まだお互いあまり知らないうちから、かなり友好的に接してくるのが低ハードル方式だ。こちらの話を当に興味深そうに聞いてくれるし、たくさん質問もしてくれるし、ちょっとしたことでよく笑ってくれる。人懐っこい人だなあという印象だ。 ただ、これはある種の緊張感から来ている

    低ハードル方式で人との関係を築く危険性 - やしお
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    nagayama 2016/07/08
    おれじゃん…
  • わかりやすさの技術 - やしお

    社内向けの教育資料を、ど素人でもわかるようにと思いながら作っていて、じゃあ「わかりやすい」って何だろうって考えてた。今まで読んできたいろんなわかりやすかったとそうでないを思い浮かべながら、一般的にここを注意すればわかりやすさを確保できるだろうっていうポイントを一旦まとめておこうと思った。そうしてまとめてみると、に限らず人に何かを伝えること一般に適用される話だなと思った。 読む側の負担を減らす わからない=理解をはばむ障害物がある。この障害物を取り除く/回避する作業が「わかる」ために必要になる。その作業を、作者ではなく読者が負担するとき「わかりにくい」になる。 日社会だと情報の受け手の側がこの「わかる」ための作業を負うことでコミュニケーションを成立させる傾向にある。空気を読むというようなことだ。そのため発信者側が事前に手を尽くしてわかりやすく発信するというのが苦手で、相手が汲み取っ

    わかりやすさの技術 - やしお
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    nagayama 2016/07/08
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