話はクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ第1戦が行われた10月14日の甲子園球場に遡る。 試合前の関係者サロンに入ると奥の方で、でっかい体のいかついおっさん(失礼!)が手を振っていた。 DeNAの前監督の中畑清さんである。 「まあここに座って好きなもん食ってけ!」 いつもの調子でお誘いをいただき、遠慮なくテーブルにつかせてもらうと、すぐさまこれもいつも通りの中畑節が炸裂した。 「桑原にかかっている。いや、間違いないっ!」 「今さぁ、テレビの取材で福留(孝介外野手)のインタビューしてきたんだけど、福留が一番警戒するのは誰だって言ってたと思う?」 突然の質問に「ん?……」と考えていると、こう一気に語り出したのだった。 「桑原(将志外野手)だって言うんだよ。オレもそう思う。桑原っていうのはオレが監督していたときからそうなんだ。チームの中には必ずああいう奴がいるっていう、ちょっと特別