京都大学全学共通科目 『統計物理学』講義ノート 冨田博之 (人間・環境学研究科物質相関論講座) mailto: tomita@phys.h.kyoto-u.ac.jp (誤りを見つけた方は上記へお知らせください。 ) 2002 年9月初版 2003 年1月 1.5 版 2003 年9月2版 2004 年2月3版 2005 年3月4版 はしがき この講義で扱う統計力学は,マクロの熱力学とミクロの力学を結びつける強力な手法(の 一つ)であり,導かれる種々の関係式は熱力学と逐一両立することが確かめられる。そこ でこの両者の関係を信頼することにより,熱力学では具体的に求めることができなかった 個々の物質のエントロピーや比熱などの巨視的諸量を,物質の微視的な構造や性質を仮定 することにより統計的手段を用いて計算することになる。そして,得られた結果を実際の 物質に対する実験結果と比較すること