3月16日、シリアで昨年6月に行方不明になったジャーナリスト安田純平さんの動画がネットに公開された。昨年1月の後藤健二さんらの動画公開も衝撃だったが、今回の安田さんも別の意味で衝撃だ。公開した側の意図は明らかで、日本政府に身代金を要求してきたものの「テロリストと交渉しない」という政府方針ゆえに膠着が続いたため、再度揺さぶりをかけようとしたものだろう。 動画での安田さんの発言は極めて意味深だ。 「妻、お父さん、お母さん、兄弟、みんな愛している。いつもみんなのことを考えている。みんなを抱き締めたい。みんなと話がしたい。でも、もうできない。私に言えるのは、どうか気をつけて。私の人生は42年で、おおむね順調。特にこの8年間はとても幸せだった」 もしかするとこれが家族へメッセージを送れる最後の機会かもしれないことを認識し、別れの挨拶と自分の覚悟を伝えたものだ。安田さんは、多くの戦場ジャーナリスト同様