ある日、実家の母の家で夕食を食べていると、母の友人が、熱い串カツをハフハフしながら、こう言った。 「もうすぐネパールへ行くんだ。旦那の骨を撒きに! 度肝を抜かれた著者が事情を聞くと、8年前に亡くなった旦那さんの遺骨をクッキーの缶に保存し、少しずつ出張や旅行に持っていき、何年もかけて世界の川や海、例えばセーヌ川や万里の長城などに撒いているのだという。 だって、土の中に入れちゃったらかわいそうじゃない?あれだけ旅が好きな人だったんだもん このコロコロとよく笑う女性との出会いが、本書を書くきっかけになった。「死」とは、「生」という長いすごろくのゴールなのだ。ではそのすごろくを辿りながら、その人が死んだ後の自由な見送り方を取材してみよう。死んだ人の意思を忖度して……、などと建前でなく、送る人が送りたいように死者を弔う。ああ、なんて清々しいんだ。 ここには5人の死者が登場する。当然ながら彼らの意思は
![『晴れたら空に骨まいて』人を弔うのは、こんなにも愛しく楽しいことなんだ! - HONZ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a400c4ef9ee9310f35ef44991173f6510021fe05/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41pmM70YFsL.jpg)