タグ

ブックマーク / honz.jp (55)

  • 『バッタを倒しにアフリカへ』ストイックすぎる狂気の博士エッセイ - HONZ

    書店内でいやでも目を引く、虫取り網をかまえこちらを凝視する全身緑色のバッタ男の表紙。キワモノ臭全開の書だが、この著者はれっきとした博士、それも、世界の第一線で活躍する「バッタ博士」である。書はバッタ博士こと前野ウルド浩太郎博士が人生を賭けてバッタのアフリカに乗り込み、そこで繰り広げた死闘を余すことなく綴った渾身の一冊だ。 「死闘」と書くと「また大袈裟な」と思われるかもしれない。だが著者が経験したのは、まぎれもない死闘だ。あやうく地雷の埋まった地帯に足を踏み入れそうになったり、夜中に砂漠の真ん中で迷子になったり、「刺されると死ぬことのある」サソリに実際に刺されたりと、デンジャーのオンパレードである。 なぜ、そこまでの危険を冒さねばならなかったのか。油田を掘り当てるためでも、埋蔵金を発掘するためでもない。そう。すべては「バッタのため」である。 昆虫学者に対する世間のイメージは「虫が好き

    『バッタを倒しにアフリカへ』ストイックすぎる狂気の博士エッセイ - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2017/05/19
    "「裏金」ならぬ「裏ヤギ」を渡して根回し" にめちゃわろた。私もこれぐらいがんばれる力がほしいなあ。
  • 『中動態の世界 意志と責任の考古学』善でもなく、悪でもない。あいまいさを語る幻の文法 - HONZ

    深く関わりたくないと思う問題の多くは、善悪二元論に陥りがちなものばかりである。豊洲は安全なのか、そうでないのか。忖度はあったのか、なかったのか。唐揚げにレモンはアリなのか、ナシなのか…。議論を単純化すればするほど、問題は質から遠ざかる。それなのになぜ人は、かくも簡単に二元論に陥ってしまうのか? 答えを解く鍵は、文法にあった。 通常、我々が親しんできた文法の区分けは、能動態と受動態の二つである。これは全ての行為が「する」か「される」かのいずれかに配分されることを求めるが、前提として意志の概念が存在する。良きにせよ、悪きにせよ、自らの意志で行った行為であればそこに責任が伴うため、善悪の判断の基準になるのだ。 しかし、かつて能動態でも受動態でもない「中動態」なる態が存在していたという。書は、ある日忽然と姿を消してしまった中動態の足跡をミステリーさながらに辿り、中動態が存在した時代の世界観を鮮

    『中動態の世界 意志と責任の考古学』善でもなく、悪でもない。あいまいさを語る幻の文法 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2017/04/11
    "なぜ人は、かくも簡単に二元論に陥ってしまうのか? 答えを解く鍵は、文法にあった。" 能動態と受動態しかなくなったせいだと。中動態があると世界観が違うらしい。
  • 『方言萌え』SNSで加速する、方言コスプレとは何か? - HONZ

    えっ、方言コスプレ? 書を手にしてまず目に飛び込んで来たのが、この言葉。コスプレと言えばコスチュームプレイの略語のアレですよね、そうですよね? 言葉ですよね、コスチュームじゃないですよね、方言って言葉ですよね? ですよね?? 混乱する中、岩波ジュニア新書から出された書は私に語りかける。ジュニアとつくだけあって口調がなんだかとっても優しいのだ。優しくされるだけで、どんどん読み進もうと思うこの不思議さ。 書は地域に結びついた素の言葉である「方言」ではなく、テレビやラジオ、インターネットから地元のお土産物まで様々なコンテンツの中で加工編集された「ヴァーチャル方言」が、どのようにして広まったのかを調べた一冊だ。「萌え」とタイトルに有ることから分かるように、あくまでも好意的な使用法として紹介されている。 これだけ「ヴァーチャル方言」が巷に溢れかえっていても、意識しながら接していないと、中々その

    『方言萌え』SNSで加速する、方言コスプレとは何か? - HONZ
  • 『三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から』三省堂国語辞典の行間 - HONZ

    を読んで気になることのひとつに、その著者がどんなパーソナリティの人なのか、ということがあると思います。 飯間浩明先生は、テレビやラジオに出演されることも多いので、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、ここでは私から見た飯間先生について述べたいと思います。 私は趣味で国語辞典を収集していることから、飯間浩明先生とは、国語辞典を扱ったテレビ番組やイベントを通じて何度かご一緒したことがあります。また、早稲田大学第一文学部の先輩でもあり、大学院にも共通の知人が何人かいるという、比較的近しい場所にいらっしゃる方でもあります。 文章から受ける印象としては、どんな用例でも出典を明らかにしたり、証拠と根拠を示して主張したり、さらにそれらのことをわかりやすく丁寧な表現で伝えることを心がけていらしたりと、学者らしさ、誠実さ、真面目さが伝わってきます。一方で、反論を恐れる学者が使いがちな、「かもしれない」「

    『三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から』三省堂国語辞典の行間 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2017/01/29
    "「正解」と「不正解」を教えられてきた人にとっては、「言葉は生きているから、正解は時代によってかわる」とか言われても混乱しますよね。...飯間先生は...現代人が接する言葉は偏見を持たずに観察する。"
  • ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』 - HONZ

    はばかりと呼ばれることがあるほどに、口にすることが憚られがちなトイレである。毎日必ずお世話になるにもかかわらず失礼なことだ。そのトイレを巡っての、うんこ話じゃなくてうんちく話が、うんこ盛りじゃなくててんこ盛りの一冊だ。編著者は『屎尿・下水研究会』である。会員は20名ほどだが、その職種が便器の設計者や紙の研究家、屎尿処理行政担当者など多岐にわたっているだけあって、ほんとに様々な話題がちりばめられている。 意外にも、世界最古のトイレは水洗だった。メソポタミア文明のエシュヌンナ遺跡から見つかった紀元前2200年ころのものである。日でも、縄文時代の遺跡から桟橋式のトイレが発掘されている。まさに「かわや」だ。どちらも水洗とはいえ、基的には川に流してるだけですけど、まぁ、道糞してほっとくよりは、うんこまし、じゃなくて、うんとましですわな。 近代的な意味での水洗トイレは、エリザベス女王のため1597

    ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』 - HONZ
  • 20代の自分に読ませたい 『コンプリメントで不登校は治り、子育ての悩みは解決する』 - HONZ

    昔から、休み明けは学校に行きたくないもの、と相場は決まっていた。大人だって、きっと大して変わらないだろう。読みさしのがあれば最後まで読みたいし、クライマックスのゲームはさっさとクリアしてしまいたいものだ。でも「不登校」ときくと、途端にドキドキしてしまう。それが、悪いことだと教えこまされてきたからだ。 ここ数年、不登校は増加傾向にあると報道されている。議論百出だが、解決策はなかなか見つからない。先日もフリースクールを義務教育として認めようという議論がなされたが、法制度の変更には至らなかった。一方で、書の主張は力強い。「親の力で子どもの心に自信の水を満たせば、不登校は治る」と断言しているのである。 しかも、その主張は実証研究に基づいている。教育現場で読まれる雑誌『教育技術』の編集長の薦めでまとめられたというから、その信頼性は高い。前著『不登校は99%解決する』の読者レビューは300件以上あ

    20代の自分に読ませたい 『コンプリメントで不登校は治り、子育ての悩みは解決する』 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2017/01/09
    不登校って治さないといけないようなものなんだろうか
  • 『晴れたら空に骨まいて』人を弔うのは、こんなにも愛しく楽しいことなんだ! - HONZ

    ある日、実家の母の家で夕べていると、母の友人が、熱い串カツをハフハフしながら、こう言った。 「もうすぐネパールへ行くんだ。旦那の骨を撒きに! 度肝を抜かれた著者が事情を聞くと、8年前に亡くなった旦那さんの遺骨をクッキーの缶に保存し、少しずつ出張や旅行に持っていき、何年もかけて世界の川や海、例えばセーヌ川や万里の長城などに撒いているのだという。 だって、土の中に入れちゃったらかわいそうじゃない?あれだけ旅が好きな人だったんだもん このコロコロとよく笑う女性との出会いが、書を書くきっかけになった。「死」とは、「生」という長いすごろくのゴールなのだ。ではそのすごろくを辿りながら、その人が死んだ後の自由な見送り方を取材してみよう。死んだ人の意思を忖度して……、などと建前でなく、送る人が送りたいように死者を弔う。ああ、なんて清々しいんだ。 ここには5人の死者が登場する。当然ながら彼らの意思は

    『晴れたら空に骨まいて』人を弔うのは、こんなにも愛しく楽しいことなんだ! - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2016/12/06
    散骨もすごいけど、遺骨をクッキー缶に入れて保存して、自分で粉砕してフィルムケースに仕舞って持ち運んでるのもすごい。
  • 『レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う』 - HONZ

    「どうしてこんな商品が、こんなCMが、こんなデザインが世に出てしまったのだろう?」と、私は思うことがある。おそらく、読者の皆さんにもそうした経験はあるのではないだろうか。だが、書『レッド・チーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う』を読んで、ようやく腑に落ちた。 私たちは誰しも、「毎日を過ごす組織の文化に縛られ、上司や職場の好みに自分を合わせがち」だし、「長年なにかに慣らされてしまうと物事を客観的に見られなくなってしまう」のだ。それは何も、私たちが「無能」だからではない。人間の思考と行動は、常にそうしたバイアスに縛られているからだ。 自分の信念を裏付ける事実にばかり目がいくトップの「追認バイアス」。 そのトップの意向にそうことが自分の昇進になると考える「組織バイアス」。 この2つのバイアスがあるために、組織は、外部から見るととんでもない決定をし、それを執行してしまう。 では、それを防ぐ

    『レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う』 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2016/06/23
    良さそう
  • あなたの知らない動物の生態 『ざんねんないきもの事典』 - HONZ

    ざんねんないきものとは一生けんめいなのに、 どこかざんねんないきものたちのことである。 世の中にはものすごく不便そうな体を持っている生き物や、どうしてそんな大変そうな生き方をしているの?って思う生き物。またそんな能力を持っていてどうするの?と思ってしまうような生き物が多数存在している。進化というのは一方通行であるがゆえに進化の過程において、かつては必要だったけれど、いまは不必要になってしまった能力や特徴をもっている生き物というのがたくさんいるのだ。たとえば誰もが知っているパンダは、ササの葉ばかりをべているイメージがあると思う。 しかし、パンダがべているササにはほとんど栄養がなく消化も悪いそうだ。パンダはクマの仲間なので雑である。動物園では肉や果物もたべている。だからわざわざ栄養のないササをたべる必要性はないのだ。それなのにササをべてしまう習性は、過去に他の動物に山を追われ、ササしか

    あなたの知らない動物の生態 『ざんねんないきもの事典』 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2016/06/16
    気になる
  • 『世界の不思議な音 奇妙な音の謎を科学で解き明かす』 - HONZ

    ラジオ番組の取材で地下の下水道に入ったら、不思議な音響に遭遇した。それがきっかけで、書の著者トレヴァー・コックスは”音の驚異”のコレクターとなった。マンチェスターのソルフォード大学に勤務するコックス教授は、来は室内音響学を専門としている。インドア派かと思いきや、世界各地から音に関する情報が寄せられると、自ら体験するために機材を抱えてフットワークも軽やかに現地へ赴く。 行き先は人工の建造物のこともあれば、自然の造形物のこともある。ふだんは建築音響学者として、理想的な音を生み出すために音を制御する方法を考えている著者が、”音の驚異”の収集家としては対照的に、音を征服するのではなく、驚異的な音に耳をゆだねる。あるときは世界最長の残響に包まれながら、そこへの道のりに思いを馳せて探検家の気分に浸る。またあるときは人の居住地から遠く離れた砂漠で、砂の歌声に胸を高鳴らせる。こんなふうに音を求めて、ス

    『世界の不思議な音 奇妙な音の謎を科学で解き明かす』 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2016/06/01
    楽しそう。人間の体も音をひびかせる部屋。
  • 欲しかった言葉ときっと出会える『翻訳できない 世界のことば』 - HONZ

    心に湧いてくる感情にぴったり合う言葉が見つけられない…。 言葉で表現しようとすると、ひどくまどろっこしくなってしまう…。 誰しもそんな経験を一度はしたことがあるのではないだろうか。 私たちは言葉があることで、思考することができ、他者と”目に見えないもの”を共有することができる。一方で、言葉によって私たちの思考は規定され、その範疇をはみだす部分については、表現することをあきらめざるをえない場合もある。 だが、そんな「日語では表現できなかったもの」を的確に表す言葉や、意識すらしたことがなかった世界を示す言葉に、外国語を学ぶなかで出会うことも少なくない。 書は、世界の様々な国に暮らした経験をもつ筆者が、「他の国のことばではそのニュアンスをうまく表現できない『翻訳できないことば』たち」を世界中から集めてまとめた一冊だ。 *** その「単位」ありなんだ・・・ 長さの単位にはメートルの他にマイルや

    欲しかった言葉ときっと出会える『翻訳できない 世界のことば』 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2016/05/23
    青森で使う「しない」(山菜などが筋張ってて硬い)も、まさに欲しかった言葉。
  • 『きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰が見る?』やだそれ、ウチの話? - HONZ

    あなたには“きょうだい”がいますか?みんなきちんと働いて自立していますか? 昨年夏、ニュース週刊誌「AERA」の特集「きょうだいはリスクか資産か」は大きな反響を呼んだ。その後のアンケートでも、将来を不安視する声が多数集まったという。あなたには思い当る身内はいるだろうか。30歳過ぎてもニートの弟、親と同居する未婚の姉、シングルマザーで非正規社員の妹、親の脛をかじるだけで生きている兄。 今や日は男性の3割、女性の2割が生涯結婚せず、老年を迎える。そのとき身内はきょうだいだけになる。雇用状態も不安定だ。年金や健康保険、親の介護が終わったら今度はきょうだいの介護が待っているかもしれない。 きちんと収入があり、税金や年金の支払いも滞らず、周囲から「普通の人」に見られているあなたのところに、ある日、縁を切りたいと思っていたきょうだいから「助けてくれ」と連絡が入ったら、果たしてどうしたらいいのか。

    『きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰が見る?』やだそれ、ウチの話? - HONZ
  • こうして角田美代子は、人間をロボット化させた! 『尼崎事件 支配・服従の心理分析』から見えた戦慄のメカニズム - HONZ

    こうして角田美代子は、人間をロボット化させた! 『尼崎事件 支配・服従の心理分析』から見えた戦慄のメカニズム 尼崎事件は兵庫県尼崎市を中心に複数の家族が監禁・虐待され、死へ追いやられた連続殺人事件である。首謀者の角田美代子は、長年に渡り、様々な家族を乗っ取り、金を脅し取ったうえで、崩壊させていった。その過程では、少なくとも9人が死へ追いやられており、しかも角田美代子が直接手を下すのではなく、取り込んだ家族を意のままに操り、家族同士で暴力を振るわせ壊滅させたことが特徴とされている。 逮捕から約1年後の2012年12月12日、角田美代子は留置場で自殺した。そのため事件の真相が永遠に解明されない可能性は高い。だがそれを、巻き込まれた一人の人物の視点へ着目することによって、この事件がどのように起こりえたのか解明しようと試みたのが、書『尼崎事件 支配・服従の心理分析』だ。 著者は、被告人Aの弁護

    こうして角田美代子は、人間をロボット化させた! 『尼崎事件 支配・服従の心理分析』から見えた戦慄のメカニズム - HONZ
  • 『地球を「売り物」にする人たち 異常気象がもたらす不都合な「現実」』 - HONZ

    書は、アメリカのジャーナリスト、マッケンジー・ファンクが6年の月日をかけ、24か国とアメリカの十数州を回って書きあげた力作ルポルタージュ、『Windfall』の全訳だ。 巻頭のカラー写真を見るだけでも、著者の取材がいかに多岐広範に及ぶかがうかがわれよう。書は気候変動(地球温暖化)を取りあげるが、それ自体が主役ではない。気候変動が起こっているという確信が深まれば、それを阻止する格的努力がなされるという考え方は、どうやら幻想にすぎなかったようで、人類は気候変動を早急に止めそうにない。 それでは私たちはいったい何をしているのか――それを探り、その過程で人間の性をあぶり出すことこそが、書の主眼であり、その結果は図らずも、自己保存と目先の利益を追い求める、「共有地の悲劇」と、いわゆる「現在志向バイアス」の物語となった。

    『地球を「売り物」にする人たち 異常気象がもたらす不都合な「現実」』 - HONZ
  • HONZ×新潮文庫のフェアが始まります。 - HONZ

    HONZ×新潮文庫のフェアが始まります。2月1日頃から全国約1100の書店において、新潮文庫の中でも特にHONZが偏愛した最強・最凶のノンフィクション作品たちが店頭を飾ります。対象書目は以下の通り。HONZにレビューが掲載されたもの、解説記事が掲載されたもの、それ以外のものと、幅広くセレクションしました。 HONZ厳選の「読まずに死ねない!」珠玉のノンフィクションたち。特製帯付の一冊を、ぜひ全国の書店で、手に取ってみてください。 書名 著者名 HONZ記事

    HONZ×新潮文庫のフェアが始まります。 - HONZ
  • 『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと』ミレニアム世代の寄付と仕事の関係 - HONZ

    効果的な利他主義者はその問いを突き詰めて考え、仕事を選択する。寄付先の選択も同様で、たくさんのいいことができる寄付先を選ぶ。例えば、 ・ 犬が好きなので、地元の動物シェルターに寄付している ・ 日人なので、なによりも日の恵まれない人たちに寄付をする ・ が乳がんで亡くなったので、乳がん研究に寄付している ということについて、彼らはどのように考えるだろうか。寄付をするもっともらしい理由に思えるが、効果的な利他主義者は、寄付の理由としてこれらを間違っていると考える。 また、寄付に関する著名な実験の一つに、一方のグループに1人の子供の写真を見せて、その名前と年齢を教え、その少女の命を救うには30万ドルをかけて新しい効果な薬を開発するための基金への寄付を依頼する。もう一方のグループには、八人の子供の写真を見せて、名前と年齢を教え、同様の薬の開発で8人全員の命を救うことができると寄付を呼びかけ

    『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと』ミレニアム世代の寄付と仕事の関係 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2016/01/26
    うまい仕組みの中で人のために仕事できたらいいな
  • 『馬を飛ばそう』 創造的プロセスなどない、あるのは創造的な成果だけだ - HONZ

    真に創造的な成果は、天才のひらめきによってもたらせられる。過去の偉大なアイデア誕生にまつわる多くのエピソードが、天才の思考法に基づく創造力が凡人のそれとはいかに異なるかを雄弁に語っている。 1815年にある雑誌に掲載されたモーツァルトの手紙は、彼の交響曲や協奏曲は完成された状態で、あるとき突然に彼の脳内に降りてきたことを伝えている。アルキメデスは湯船に浸かっているときに、「ユーレカ、ユーレカ!」と叫んで、純金と金と銀の合金を見分ける科学的に正しい方法を思いついた。モーツァルトの事例はロジャー・ペンローズ『皇帝の新しい心』など多くの書籍で創造的思考を示す事例として引用され、アルキメデスは「アハ・モーメント」の元祖として瞬間的インスピレーションの大切さを教えてくれる。 しかし、モーツァルトの手紙は彼が書いたものではない捏造品であることが明らかとなっており、アルキメデスが瞬時に思いついたとされる

    『馬を飛ばそう』 創造的プロセスなどない、あるのは創造的な成果だけだ - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2016/01/12
    “エベレスト登頂に成功した人が諦めることなく歩き続けたように、創造的アイデアを生み出した偉人達も戸惑い、ルートを修正しながらも諦めることなく思考を続けたのである。”
  • 『「少年A」被害者遺族の慟哭』「謝罪と贖罪」の現実 - HONZ

    藤井誠二が書いたのでなければ、私はこのを手に取らなかっただろう。「少年A」というキーワードはこのところ傷気味で、もういいかげんうんざりしていたのだ。 2015年の夏、突然出版された『絶歌』という手記も、ノンフィクションを主に書評している私は読まないわけにはいかなかったし、誰かに聞かれれば内容だけでなく、構成力や文章の巧拙についても語らなければならなかった。としての出来なら、悪いわけではない。でも垣間見える自己顕示欲の強さやある種の優越感、全能感みたいなものが堪らなくイヤだった。 だが「元少年A」を英雄視する少年少女は後を絶たない。凶悪で快楽的な少年犯罪が起こるたび、マスコミによって酒鬼薔薇事件との比較が行われる。事件ごとにルポルタージュが出版されるのは仕方ないにしても、被害者の気持ちを考えるといたたまれないのだ。 藤井誠二という書き手は違う。彼は1980年代から一貫して少年犯罪、ある

    『「少年A」被害者遺族の慟哭』「謝罪と贖罪」の現実 - HONZ
  • 『今すぐ読みたい!10代のためのYAブックガイド150!』 - HONZ

    読書は冒険!-ひこ・田中 きみも当は好きかもしれない。-金原瑞人 監修人ふたりが強く宣言する。 を読む人が減っている、と巷間言われている。でもみんな、いつもスマホをのぞいてはメールやSNSで文字を読んでいるじゃないか。もしかしたら50年前より現代の方が文字に馴染んでいる時代になのかもしれない。 いちばんが読めるのは10代。多分、異論はないと思う。この時代に手当たり次第の乱読をしておくと、一生、を楽しめる。「でも、って数が多すぎる」って困ってしまうのはを読むことを仕事にしているワタシだって同じこと。 だったらいろんな種類の好きが、いろんなをお薦めしちゃおうというのがこのだ。27人の選者には、児童文学の研究者、書店の児童書担当者、青春小説をたくさん書いている作家、図書館司書、海外のYA小説の翻訳家、歌人、書評家など「この、ぜったいに面白いのよ」と勧めたがりが集まった。その

    『今すぐ読みたい!10代のためのYAブックガイド150!』 - HONZ
    nakagawanatuko
    nakagawanatuko 2015/12/06
    10代じゃないけど読みたい
  • 『グアンタナモ収容所 地獄からの手記』 - HONZ

    書はGuantanamo Diary by Mohamedou Ould Slahi, edited by Larry Siems (Little, Brown and company, 2015) の翻訳である。 キューバ南東部に位置するグアンタナモ湾にアメリカの海軍基地がある。米西戦争後、スペインから独立したキューバ新政府によって、アメリカが租借することを認められたものだ。その後、ローズベルト政権時代の1934年に改めて条約が締結されると、アメリカ側の放棄、あるいは両国の合意がないかぎり、無期限に租借できると決まった。キューバ革命の成功のあと、キューバ新政権から返還を要求されるようになったのだが、アメリカはその条約を楯にし、グアンタナモ基地を使用しつづけた。 2001年の9.11アメリカ同時多発テロのあと、このグアンタナモ基地内に設けられた収容所に「テロ容疑者」が大量に送りこまれるよ

    『グアンタナモ収容所 地獄からの手記』 - HONZ