大塚 祐一郎・野尻 昌信・楠本 倫久(森林資源化学研究領域)、Ronald R. Navarro(元森林総研PD)、橋田 光・松井 直之(森林資源化学研究領域) 世の中では、様々なお酒が飲まれていますが、その原料は穀物のデンプンや果実およびサトウキビの糖分に限られてきました。 我々は今回、水と食品用の酵素、醸造用の酵母のみを用いて、熱処理や薬剤処理なしに木材中の繊維を糖化・発酵する技術を開発し、世界で初めての「木のお酒」を目指したアルコールの製造方法を確立しました。さらにスギ、白樺、桜の材から試験製造したアルコールについて、その香り成分の分析を行いました。その結果、スギ材から製造したアルコールにはスギ材特有の香り成分が多く含まれ、より木らしい香りを持つことが明らかとなりました。また、桜の材から製造したアルコールには、ジャスミンなどの花の香り成分が含まれ、より華やかな香りを持つことを明らかに