作品が数ヵ国語に翻訳され、シンガポールの監督が映画化するなど、海外で高く評価されている漫画家・辰巳ヨシヒロ。日本のなかの出来事として日本語で表現されたものが、なぜ英語に翻訳しても伝わっていくのか? 片岡義男さんがその魅力の核にある「普遍性」について考えるーー。 (辰巳ヨシヒロの自伝的作品の面白さについて書いた前回はこちら→http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51864) 50年前に彼の作品に出会った 辰巳ヨシヒロの短編コミックスを僕がたくさん読んだのは、1968年から1972年にかけての、5年ほどの期間だった。いろんなコミックス雑誌を買い、熱心に読んでいた友人が、読み終えたのを僕に提供してくれていたからだ。 ひと月も彼に会わずにいると、彼はひとかかえのコミックス雑誌を紙袋に下げて、待ち合わせの喫茶店にあらわれるのだった。その彼が熱意をこめて勧めてくれてい
![辰巳ヨシヒロの漫画はなぜ海外で高く評価されるのか?(片岡 義男) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6315c8b3cc0f69db70fc84c7aa55377d72148618/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2Fc%2F1200m%2Fimg_4c4cc77514c82b881f6d4febf6b4ed19186020.jpg)