政府は三十日、消費税率を二〇一五年十月に10%に引き上げる法案など社会保障と税の一体改革の関連法案を閣議決定し、国会に提出した。野田佳彦首相は今国会中の成立を目指す方針。衆院の採決で可決するか、否決するかに注目が集まる同法案だが、実は党執行部内では、党の分裂を回避するため、今国会で採決せずに継続審議を模索する動きが出ている。「可決か否決か」の前に「採決か継続か」のせめぎ合いが始まった。 首相は三十日夜の記者会見で、消費税増税法案について「今国会中に全力を挙げて、政府・与党一体となって成立を期したい」と強調した。首相の決意を支持するそぶりを見せつつ、継続審議を模索しているのが民主党の輿石東幹事長だ。