むかしむかしあるところに村がありました。 ある日、その村の外れに薄汚い、小さな箱が置かれているのを誰かが見つけました。その箱には蓋がしてあり、上から灰色の紐で十字に縛られています。 しかし村の誰に聞いても、その箱を置いた覚えはありません。村人は不気味さを感じました。しかし、怖くて誰も中を確かめられません。 その時、ちょうど通りかかった旅の僧が箱を見るや「これの中身を見てしんぜよう。万が一のことがあるといけない、皆は遠ざかっているように」と言いました。村人はちょうど確認をしてくれる人間が来てくれたことを幸運に思いながら、言う通りにそこから避難しました。 その後しばらくすると僧は村長のところに言いました。「あの箱の中には『恐ろしいもの』がある。誰も近づいてはならぬ」と。 その言葉はあっという間に村に広まり、村人は恐怖します。村にそんなものがある。どうすればいいか、村人は僧に相談しました。すると