誰もが「お金のため」ならやる気になる。そう考えているリーダーが多いように思います。しかしこれは、すべて正解とはいえません。 1953年のこと、ハーバード大学の神経学者だったロバート・シュワブは、実験を行い、普通の人が棒にぶら下がって我慢できる時間は約50秒であることを割り出しました。 では、誰かに応援されたり、催眠術をかけられたりしたらどうなるのだろうか。実験してみると、その効果はてきめんで、平均で約75秒、被験者は手首の屈筋の痛みに耐えてみせました。 最後に、シュワブは究極の武器を使うことにしました。「お金」です。彼は5ドル札(今の約4000円に相当)を被験者に見せたうえで「これまでの成績を上回ったら、このお金をお渡しします」と伝えました。すると参加者は、なんと平均で約2分もの間、鉄棒にぶら下がり続けることができたのです。お金を受け取ることで態度が変わる人を「現金な奴」などと揶揄しますが